パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

ナッツ類

• アーモンド

アーモンド【英:Almond(アーモンド)、仏:Amande(アマンド)】 アーモンドは、バラ科サクラ属の落葉高木、またはそこから採った種実のことをいう。別名ヘントウ(扁桃)、あめんどう、ハタンキョウ(巴旦杏)とも呼ばれる。アメリカ合衆国がもっとも最大の生産地である。日本でも小豆島を始めいくつかの場所で栽培されている。 アメリカ産アーモンドの旬は8月中旬〜10月、日本産のアーモンドは梅雨時期だが、一年中流通している。 アーモンドの果実は、皮、果肉、核、仁で作られているが、通常食用しているのは『仁』の部分で果肉は食べない。仁を乾燥させて生アーモンドといい、それを炒ったり(ロースト)、揚げたりしたものが市場に並んでいる。 アーモンドの種類 アーモンドにはたくさんの種類があるが、一般的なものは長さ3cmぐらいの種子の形をしていて、香ばしい味がする。 食用として主流なのがスイートアーモンド(甘扁桃仁)で、カリフォルニア産は、100%これにあたる。一方、野生種であるビターアーモンド(苦扁桃仁)はエッセンスやオイルの原料として用いられる。 ビターアーモンドに含まれるアミグダリンから分解されるベンズアルデヒドが香料の主成分となる。しかし、アミグダリンは一定量以上摂取すると有毒となるため、ビターアーモンドは食品として日本に輸入することができない。 アーモンドを粉末にしたアーモンドパウダー(アーモンドプードル)は、フィナンシェやマカロン、アマレッティ、ヌガー、マジパンなどの洋菓子に使われる。 過剰摂取による健康被害 アーモンドは健康によいとされる食品ではあるが、高カロリーのため、食べすぎは肥満につながる。また、食物繊維も過剰摂取となり、腹痛や便通異常を引き起こす恐れがある。中にはアーモンドのアルギニンという成分で口唇ヘルペスを起こす人もいる。そして、たくさん摂取することで体内に蓄積する脂溶性のビタミンE過多による病気を発症する場合もある。


• アーモンドの加工品

アーモンドプードル【仏:Poudre d'amamdes】 アーモンドパウダー【英:almond pouder】 アーモンドプードルはアーモンドを粉末にしたものでアーモンドパウダーとも呼ばれ、生地に混ぜ込むことで生地にアーモンドの風味とコクを加えることができる。アーモンドの油分が加わることで、食感も中はしっとり外はサクサクになる。タルトやフィナンシェ、クッキーやマカロンなど、さまざまな焼き菓子で使われている。 アーモンドプードルには、「皮なし」と「皮つき」の2種類がありそれぞれで違いがある。「皮なし」は、アーモンドの質感を主張しすぎないため、見た目にも味にも仕上がりに大きく影響を与えない。パウンドケーキやマカロン、クッキーなど、どんな製品にも使うことができる。 一方、「皮つき」は、アーモンドの味が濃く、コクも風味も強い。また、皮を剥がさずに粉にしているため、粉の色も黒っぽい。タルト生地やフィナンシェ、ダコワーズなど素材の風味を生かしたり、アーモンドの個性を強く出したい製品に適している。 アーモンドスライス アーモンドスライスはアーモンドを平らにスライスしたもので、主にケーキのトッピングや菓子パンなどに使われる。薄切り、厚切りの加工があり、薄切りのものが軽い食感になり、厚切りのものが重い食感となる。 ローストすると香ばしい食感になるため、160℃のオーブンで約10分空焼きしてから使うこともある。 アーモンドダイス アーモンドダイスはアーモンドをダイス状にカットした商品で、主にサラダなどのトッピングや・焼き菓子、チョコレートなどのトッピング、パン製菓の生地に練りこんで使用される。 アーモンドスライスと同様、ローストすると香ばしい食感になる。


• ピスタチオ

ピスタチオ【英: pistachio(ピスタチオ)、仏:pistache(ピスターシュ)、独:Pistazie(ピスターツィ)、学名:Pistacia vera】 ウルシ科カイノキ属の落葉高木、およびそれから採った種実をいう。 カイノキ属の木は雌雄異株のため、収穫量は受粉がうまくできるかどうかで変わってくる。 ピスタチオはナッツの一種で、3〜4千年前にはトルコやペルシャなどの地中海沿岸地方ですでに食用とされていたことが知られている。実がきれいな緑色をしているところから「緑の宝石」といわれ、保存食や催事の供物などとして重宝されてきた。樹木は強く、乾燥した場所や塩害のある場所でも十分育つが、日照と排水が必要である。おおよその旬は8月下旬から9月上旬 で、現在生産量が一番多いのはイランである。 ピスタチオの実は長径3cmほどの楕円形で、成熟すると殻の一辺が裂けて実をのぞかせる。熟したら木から落ちる。この形状で収穫され、このまま焙煎される。食べるときには殻を割って中の実を取り出し食べる。実は茶色の薄皮に包まれた鮮やかなグリーンで、ナッツの女王と呼ばれている。 味は独特の風味があり、ほかのナッツ類とは異なった味わいを楽しめる。市場に出回るピスタチオには、ペースト状のもの、薄皮が向かれたグリーンのもの、薄皮つきの茶色いものなどがある。製菓材料にしたり、ケーキやクッキーの飾りつけに用いたり、それぞれの用途に合わせて種類を選べる。欧米ではピスタチオを混ぜ込んだピスタチオのアイスクリームもよく見られる。 保存方法 ピスタチオの緑色はクロロフィルから成るもので、変色・退色を起こしやすいため、直射日光を避けて冷暗所で保管する。湿気にも敏感で食感にも影響するため、できるだけ空気に触れないように密封保存するのが好ましい。 また、ピスタチオは仕入れた時にすべてよい状態で手に入ることは少なく、虫食いがあったり、臭いのするものがあったりする。特に臭いのするものの中にはドリアンのような臭いにおいがするものもあり、ほかのものに影響するため、ハンドピッキングで取り除くことが必要になる。


• ヘーゼルナッツ

ヘーゼルナッツ【英:Hazelnuts(ヘーゼルナッツ)、仏:Noisette(ノワゼット)】 別名「西洋ハシバミ」といい、カバノキ科ハシバミ属の落葉低木の果実である。中央アジアで主に栽培されていて、その中でも特にトルコが主要産地として有名で、世界に流通するヘーゼルナッツの75%を占めている。日本で使われているヘーゼルナッツの95%はトルコ産である。ナッツ類の中でも、世界中で親しまれる代表的な種類のひとつ。 ヘーゼルナッツの旬は9月ごろで、春に花をつけて、夏の終わりから秋にかけて果実が熟す。外見はドングリに似ているが、ドングリよりも大きい。丸型や尖形、細長いものなどもある。ヘーゼルナッツの色はヘーゼル色、はしばみ色といわれていて、淡い褐色をしている。味にくせがある。 ヘーゼルナッツはナッツそのものを食べられるより、製菓や調理に使われることが多い。ヘーゼルナッツの代表的なお菓子に、チョコレートと混ぜ合わせて作る「ジャンドゥーヤ」や種実をカラメリゼした「プラリネ」がある。ヘーゼルナッツのペーストを使った「ヌテラ」は、ココア入りヘーゼルナッツスプレッドとして世界各国で販売されている。ヘーゼルナッツの風味をいかした「ヘーゼルナッツ・リキュール」も、製菓材料として重宝されている。


• ピニョン

ピニョン【和:松の実(マツノミ)、英:Pine nut(パインナッツ)、仏:pignon(ピニョン)】 松の実はフランス語で、ピニオン、ピニヨンとも呼ばれ、マツ科マツ属の植物の種子の胚乳の部分を指す。マツ科の植物の種子は100種類以上があるが、比較的大きさがないと食用にできないため、実際に食用になっているのは約20種類程度。ピニオンは古くから食用にされてきた。 日本でのピニオンの利用は、韓国料理やイタリア料理などで多く見られる。クッキーやタルトなどの焼き菓子によく使われる。 ピニョンのおおよその旬は秋だが、輸入しているため一年を通じて手に入れることができる。 ピニョンは松の実という名の通り、松の木にできる種子。松ぼっくりといわれる松笠にできる茶色い種子に包まれた胚乳の部分のことをいい、種子から取り出して食用にする。食用とされる松の実は日本で一般的なクロマツやアカマツからではなく、主に朝鮮やイタリアの松から取られたものが流通している。特にイタリアカサマツから取れたピニョンはバジルペーストやお菓子によく利用される。松の実は人工的に受粉して栽培できないため、価格は比較的高めである。 保存方法 ピニョンは小さく脂質が多いため酸化しやすい。保存は密閉容器に入れて冷蔵庫に入れると2~3ヶ月持つが、なるべく少量で購入した方が良い。


• くるみ

くるみ【英: Walnut、Black walnut、仏:noix、学名:Juglans)】 クルミ科クルミ属の落葉高木とその種子を加工したナッツをいう。くるみは英語ではウォールナットというが、日本ではくるみの木材のことをウォールナットという。 くるみの収穫は8月末に始まり11月末まで続く。日本では1年の通じて手に入れることができる。日本でも昔から全国の山や野に自生し、食用とされてきた。日本では長野県や東北地方などで栽培されているが、生産量が多いのはアメリカのカルフォルニアが有名である。 くるみは人間の脳に似た形をして、殻の表面にたくさんのしわが入っている。殻はとても固く、くるみ割りというくるみを割る器具で割る。くるみ割り人形はくるみを割るために作られた人形である。殻の中には実が詰まっているが、これらの実もひだがついたような独特な形となっている。 くるみは生で食べるとやや柔らかく甘い味がする。ローストしてから調理されたり、食べられるたりすることも多い。ローストすると香ばしくなり、ナッツらしいカリっとした食感になる。ローストしたくるみは製菓材料として販売されており、ケーキの飾りはもちろん、ブラウニーなどの焼き菓子にも使われる。 保存方法 殻付きのくるみは、日陰においておくだけで数か月は保つので、使うときまで殻をむかないほうがよい。むき身のものでも、しっかりと密封して、冷蔵、もしくは冷凍保存することで1年は保存することができる。また、においを吸収しやすいため、ほかの食品と一緒に置くとにおい移りすることがある。