
ムース
カテゴリ:デザート

気泡をたくさん含んだ、口当たりの柔らかいお菓子。フランス語で泡という意味と苔という意味を持つ。製菓では泡という意味で使うが、いずれにしても泡のように軽く苔のように柔らかい食感である。
ムースの泡はメレンゲや生クリームを使って作るものが多いが、フレーバーはさまざまでフルーツのピューレやチョコレートなどを使う。
バヴァロワとの違いはベースがアングレーズソースに限られない点である。
◎歴史
ムースが誕生したのは17世紀のことだが、有名になったのは20世紀、ショックフリーザーが出来た頃のことである。元々貴族の中で食べられていたムースは「お腹がいっぱいでも食べられる」「音を出さないようにして食べられる」という理由で考案されたもの。ショックフリーザーが出来たことによって品質を落とさずにムースの保存ができるようになり、フランスではどこに行ってもムースが置いてある、という時代が続いた。
日本でもこれに遅れを取らないよう20世紀にムースが広まった。
飽食の時代だからこそ、お腹がいっぱいでもふわっと食べやすいと人気になったスイーツがムースなのである。
更新日:2020年08月07日
作成日:2018年09月12日
更新日:2020年08月07日
作成日:2018年09月12日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• バヴァロワ
バヴァロワ【仏:bavarois】 バヴァロワ(ババロワ、ババロア)は、一般的にアングレーズソースに生クリーム、ゼラチンを合わせて冷やし固めたお菓子を指す。 軽い口当たりのムースとは対照的に、しっかりとした食感と卵黄と味があるため、冷やし固めたものをそのまま食べることも多い。 バヴァロワは「バイエルンの」という意味で、ドイツの旧バイエルン王国に由来する。 歴史 バヴァロワは元々はドイツのバイエルン地方からフランスに伝わった、バヴァロワーズという温かい飲み物だった。現在のバヴァロワ と同じく牛乳と卵黄ベースで作られていたが、18世紀にアントナン・カレームがゼラチンを加えて冷やし固めたものが現在のバヴァロワとして広まっている。 また、19世紀にフランス人シェフがバイエルン王国のために作った、生クリームを使った飲み物に手を加えたことからバヴァロワになったという説もある。
• 生クリーム
牛乳のみを主原料とし、乳脂肪18%以上、無添加で衛生基準を満たしたものを「クリーム」という。 「クリーム」は生クリームの法規上の正式な名称。牛乳の中にある乳脂肪は脂肪球という粒の形をしており、それを遠心分離により濃縮した物。 用途に合わせて色々な種類のものが開発されている。業務用は牛乳と同じ1リットル入りの紙パックの物が多い。 やや黄色みを帯びた白色で、風味、口溶けに優れている。乳脂肪が多いクリームほど黄色っぽい。この色みは乳牛の食べる牧草由来のカロテノイド色素によるものである。 「クリーム」に乳化剤と安定剤を入れた物も生クリームと呼ばれることもある。 乳脂肪と安定剤は味に影響しない。生乳のみを原料としているものより賞味期限が長く、分離しにくくて保形性も高いので扱いやすい。 乳脂肪量 乳脂肪分20〜30%の物はコーヒーに加えるために作られたもの。 コーヒーの苦味を抑えてマイルドな味わいにする。 コーヒー本来の風味や旨みを邪魔しない、低脂肪のクリームが好まれる。 35%の乳脂肪分がなければ、泡立てることができない。 一般的に35〜38%の低脂肪の物と、40〜45%の高脂肪の物とを製品に合わせて使い分けたり、混ぜて使ったりすることが多い。 →乳脂肪と植物性脂肪 製菓においての生クリームの重要性 生クリームが使われるケーキと言えば代表的なのは苺のショートケーキ。 老若男女から根強い人気があり、今でも多くの店で売れ筋のケーキになっている。 このケーキに大量に使われる生クリームが店のイメージを決めると言っても過言ではない。 生クリームの味はメーカーや種類によってかなり違いがあり、生クリームの選び方がお店の味の個性になるともいえる。