
パスティヤージュ
カテゴリ:製造過程

シュガークラフトとも呼ばれている。
16世紀の菓子職人が考案したと言われ、19世紀末頃よりこれを使ったピエスモンテがつくられるようなった。
粉糖・ゼラチン・卵白などを練って作るもの。練るにはかなり力がいるので、ミキサーを使った方がよい。作った段階では粘土の様なこの生地は、乾燥するとカチカチに固まる性質がある。
すべて食品で作られているので食べることもできるが、あまり美味しいものではない。
基本的に観賞用として利用されている。薄く伸ばした上に文字や絵を書きケーキに乗せたり、ウェディングケーキなどの立体的な工芸作品が作られている。
作り方・レシピ
・ゼラチン10g
・水60g
・水飴15g
・粉糖300〜350g
・ショートニング5g
・トラガントガム15g(なくても可)
性質・特徴
パスティヤージュは1ミリ以下まで薄くできるのが特徴。これによりマジパンやアイシングより繊細な細工が可能になり、お花やレースなどを作ることができる。また表面を陶器のようにスベスベで美しく仕上げることができる。さらにドレスのドレープの様な表現もできる。粉糖や卵白の量を調整することで作りたい物に合わせて固さが変えられる。柔らかくすると絞り出し袋に入れて、絞ることもできる。
基本的には白色だか、着色料で色を着けることもできる。ベースが白色なので、美しく発色する。
扱い方
鑑賞用の作品を作るにはまずは綿棒を使ってパステヤージユを均一に伸ばす。パスティヤージュがくっつく様なら手や綿棒にコーンスターチを振るとよい。これをナイフで切り抜いたり、マジパンスティックや抜き型などを使って形を整えパーツを作る。乾燥しやすいので、作業中使っていない生地にはラップか濡れたダスターをかけておくとよい。パーツができたら、しっかりと乾かす。この時、ドライフルーツメーカーを使うと早く乾燥する。
出来上がったパーツを薄いパスティヤージュで接着して組み立てていく。
環境にもよるが、固まるまで数時間はかかるので、大きな作品を作るには数日かかる。
こうして作られたパスティヤージュは芸術性が高く、毎年全国規模のコンテストが開催されている。飴細工と組み合わせててピエスモンテが作られることもある。
注意点
水に弱いので、湿度の高い所には置かない。保存するときは乾燥剤と共に密封しする。ケーキの上に乗せるときも食べる直前に置くか、フルーツや生クリームに直接触れない様にする。更新日:2020年10月19日
作成日:2018年10月23日
更新日:2020年10月19日
作成日:2018年10月23日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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協力のもと制作されています。
関係項目
• フォンダン
フォンダン【仏:fondant 】 フォンダンとは煮詰めた砂糖をきめ細かく再結晶化したもの。 「口中でとろけるような菓子」という意味をもつ。 フォンダンには白ざらめ糖や上白糖を使用する。 白ざらめ糖はグラニュー糖より結晶が少し大きく、精製度は同程度に高いため、溶かして煮詰めても色が濁らず、甘さにくせがない。 上白糖にはビスコ糖といわれる転化糖が微量に含まれており、フォンダンの結晶を小さくなめらかにする効果がある。 手順 (1).材料を鍋に入れ、114〜118℃になるまで加熱してシロップを作る。 (2).大理石や熱に耐える平らな場所にシロップを流し、粗熱がとれて40~50℃くらいになるまで冷ます。 (3).熱がとれてシロップが水飴状になったら、木杓子などでシロップをすり混ぜ、ロウ状になるまで練る。 混ぜ始めると再結晶化がおこりすぐに白っぽくなる。 少量を作る場合は台に流すと熱がすぐに下がってくるため、流して2~3秒したら撹拌し始めるようにする。 温度が下がるとボロボロとしてまとまりにくくなるため、少し熱い段階で混ぜ始め、手早くまとめていくと良い。 (4).手早く生地を練り込んで、ひとまとめにする。 すぐ使わない場合はでラップで包んで冷蔵または冷凍で保管する。 まとめきる前にブロワイユーズ(粉砕機)を通すと、よりきめ細かいきれいなフォンダンができる。
• コーンスターチ
コーンスターチ【英:cornstarch(コーンスターチ)、仏:amidon de maïs(アミドン ド マイス)】 コーンスターチはトウモロコシを原料とする細かい粒子の粉末状でん粉のこと。とうもろこしを粉砕機で胚芽を傷つけないように砕き、胚芽を分離させたあとデンプンを取り出し、脱水乾燥させて粉末したものである。 コーンスターチは小麦粉と違って水に混ぜてもグルテンを形成しないため、揚げ衣や焼き菓子に使うことでサクッとした食感に仕上げることができる。とろみをつけることができるので、カスタードクリームにもよく使われる。コーンスターチはデンプンのみでできているため、ケーキやクリームに入れるとなめらかに仕上がる。 性質 コーンスターチは65〜76℃で糊化し始めるが、粘度は低くさらっとした感じになる。粘度は低いので、小麦粉のようにもったりとした重めのクリームにはならず、ゆるい生地やクリームになる。だが、粘度が出ると安定して持続するため、片栗粉と違って温度が下がってもとろみが持続するので、冷たくして食べるチーズケーキやカスタードクリームには適している。 とうもろこし粉 とうもろこし粉はとうもろこしを乾燥させて粉末にしたもので、別名コーンミールとも呼ばれている。コーンスターチはとうもろこしからデンプンだけを取り出しているが、とうもろこし粉はでんぷんだけでなく、たんぱく質やミネラル分も含まれている点で両者には違いがある。主にパン生地に混ぜ込んだり、離型剤に使われたりする。