
チーズ
カテゴリ:乳製品

チーズとは、乳から作られる固形または半固形の製品である。
チーズにはFAO/WHO(食糧農業機関/世界保健機関)によって定められた定義がある。
ナチュラルチーズは、牛や山羊や羊等の乳に乳酸菌や凝乳酵素(レンネット)を加えて固め、ホエイ(乳清)の一部を取り除いて乳酸菌やカビ等の微生物で発酵・熟成させたもの。熟成させないものもある。
ホエイはチーズを作る際に出る水分である、
プロセスチーズは、ナチュラルチーズを砕いて乳化剤を加え、加熱して溶かしたあとに再び成型したものである。風味が変化しにくく、保存性にも優れている。
チーズの種類
クリームチーズフロマージュブラン
フロマージュ・ド・シェーヴェル
マスカルポーネ
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月12日
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作成日:2018年09月12日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• 牛乳
生乳(牛乳からしぼったままの乳)を加熱殺菌したもの。 120〜150℃で1〜3秒で超高温瞬間殺菌が行われている。 原料に生乳以外の物を一切含まない。 乳脂肪3%以上、無脂乳固形分8%以上で、15℃における比重1.028〜1.034。 牛乳は乳牛の種類や飼育環境により成分がかなり変わってくる。 日本では乳固形分の量はあまり多くないが、泌乳量の多く、食肉用としても転用できるホルスタイン種が主に飼育されている。 生産量は少ないが濃厚で風味が良いとされているジャージー種の牛乳もある。 牛乳を加工して、ヨーグルト、チーズ、生クリーム、バターなどの乳製品が作られる。 卵と相性の良い食材。卵と牛乳を主原料として、カスタード、アングレーズソース、プリンやアイスクリームなとが作られている。 牛乳の種類 低温殺菌牛乳 低温保持殺菌法で殺菌した牛乳。独特の風味がある。 →牛乳の殺菌法 ノンホモ牛乳 下記のホモジナイズ(ホモゲナイズともいう)を行わない牛乳。牛乳容器の上の方にクリームの層(クリームライン)ができるので、よく振って使用すること。 加工乳 生乳に脱脂乳やクリームなどの乳製品を加えて乳成分を調整した物。乳脂肪に関する規定がない。濃厚牛乳や低脂肪牛乳(ローファットミルク)はこれに分類される。 牛乳は季節によって成分が変動するか、加工乳には成分変動がない。 加工乳を使えば一年を通して、安定した製品を作ることができる。 脱脂粉乳(スキムミルク) 生乳からほとんどの乳脂肪を除いて、粉末にしたもの。
• バター
バター【仏:butter(バター)独 : Butter(ブッター)】 牛乳を加工した乳製品。製菓において最も重要な固形油脂のひとつ。牛乳の乳脂肪を集めて練り上げたもの。 牛乳をクリーム(生クリーム)と脱脂乳に遠心分離し、クリームの層を加熱殺菌した後に攪拌して、乳脂肪だけを凝集して固めて作られる。 成分基準は乳脂肪80%以上、水分17%以下。加塩バターの場合は1.8%以下の食塩が加えられている。 製菓用として水分14%前後に抑えられた物を低水分バターと呼ぶ。低水分バターは伸びがよく、折り込みパイ生地などに使用すると作業性がよくなる。 バターの水分は油中水滴型の乳化の構造をとって、乳脂肪中に均一に混ざり合っている。 また、2%程度のたんぱく質、乳糖、カルシウムなどの他にビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなども含まれている。 温度管理が重要な材料。常に5℃以下で保存する。長期保存するの場合は、冷蔵より冷凍の方が品質を保てる。 バターの種類 発酵バター 無塩バター・食塩不使用バター 有塩(加塩)バター フランスのバター 日本では食塩を添加しているバターを有塩バター、添加されてないものを無塩バターと呼び分けているが、フランスでは塩分濃度によって三段階に分けて呼ばれている。 ブール・ドゥー(beurre doux) 無塩バターのこと。ドゥーとは「甘い、マイルドな」という意味。 ブール・ドゥミ・セル(Beurre demi-sel) フランス語で薄塩バターのこと。0.5〜3%程度の塩が添加されている。 薄塩バターという名前だが、日本の物より塩分が多く含まれている場合があり、使うときは注意が必要である。 ブール・サレ(Beurre salé) 有塩バターのこと。3%以上の塩が添加されている。日本の有塩バターより塩が多く含まれている。 フランスでは主に発酵させた無塩バターが製造されている。 バターの成分規格は、乳脂肪82%以上、無脂乳固形分2%以下、水分16%以下。 有塩バターの場合は乳脂肪80%以上とされている。 バターの性質 バターにはお菓子作りには欠かせない三つの性質がある。 1.可塑性 バターが13〜18℃の時に限られるが、固形でありながら自由に形作れる柔軟性がある。 折り込みパイ生地を作るときに役立つ性質。 可塑性のあるバターは柔らかい生地と一緒に織り込むことができる。 これを加熱するとバターの水分は蒸発し、油脂は生地に吸い込まれ、もともとバターがあった場所が空洞ができる。 この性質により、パイは美しい層状に焼きあがるのである。 2.ショートニング性 可塑性のある固形油脂が、小麦粉の中に薄い膜状に広がってグルテンをバラバラに分断する性質。 クッキーのサクサクとした食感はこの性質によるものである。バターの配合量が少ないクッキーはグルテンがしっかりと形成されるため、パリンと割れるような硬い食感になってしまう。 3.クリーミング性 バターがクリーム状の固さにあるとき、攪拌することで大量の空気を取り込むことができる。 バター生地がきめ細かい気泡をたくさん含んでふっくらとしているのはこの性質によるもの。 これは、バターの中に混ぜ込まれている気泡を核として、熱せられて発生した空気や膨張剤から発生した炭酸ガスが、大きく膨らんでいくため。 以上の三つの性質がお菓子の形状や食感に直接影響してくる場合が非常に多い。 これらの特徴は一度溶かしたバターを再び冷やし固めても発揮されない。 他の油脂にはない芳醇な香りがある。バターの配合量の多い焼き菓子ではこの香りが直接、製品の風味となってくる。 温度による状態の変化 バターは5℃以下の状態だとしっかりと固まっており、パレットナイフで切り分ける時も少し力がいる。 15℃前後になると、可塑性のある状態となる。 30℃前後になると、融解が始まる。 40℃に近づくと、完全に液体となる。この状態のバターを 溶かしバター、ブールクラリフィエ【仏: beurre clarifié】 と言う。 溶かしバターを凝固しない温度で放置すると、三層に分かれる。 一番上の薄い層には気泡を含む成分、一番下には乳漿(水分、たんぱく質、糖質など)が沈殿する。 これらの間にある一番量の多い、溶けた乳脂肪の黄色っぽい色の層を澄ましバターと言う。 澄ましバターにはたんぱく質やアミノ酸が含まれていないので、メイラード反応がおきない。そのため、クレープ生地など、バターの風味を抑えて焼き色をつけたくない場合に使われる。 溶かしバターをさらに加熱すると茶色く変色し、こうばしい香りがする様になる。これを 焦がしバター、ブールノワゼット【仏:beurre noisette】 と呼ぶ。 バターの高騰 近年では数年に一度のペースで需要の高まる冬季に深刻なバター不足に陥っている。 その度に政府主導で追加輸入が行われているが、輸入品は国内産の物と比べると高価になってしまうことが多い。この状態を受け、各メーカーもバターの代替品として、品質の高いマーガリンやファットスプレットなどを開発している。 これらの代替品は全量をバターと入れ替えて使用することもできるが、バターと混合して使用することもできる。このように配合比率を変えたりバターをあまり使用しないお菓子を開発したりするなど、さまざまな対策を練っている店やメーカーも増えている。