
サルモネラ
カテゴリ:食中毒

サルモネラは周毛性べん毛をもったグラム陰性の無芽胞桿菌である。サルモネラ属は2500種以上に分類されている。
原因
食肉類(鶏肉・豚肉・牛肉等)や卵及びその加工品が多い。年間を通じて発生するが、発生頻度が高いのは春季から秋季にかけて。サルモネラはほとんどの動物が保菌しているため、食品汚染を完全になくすことは難しい。
40度前後で最も活発になるが熱に弱く、75℃、1分以上の加熱によって死滅するため、食品を十分な加熱することが要点となる。
鶏卵も感染源となる。パティスリーでは特に夏場のカスタードクリームなどが感染源となりやすい。
生卵を使った作業台はきっちりと殺菌消毒をしたり、カスタードと他のクリームを使う時に同じ絞り袋を使いまわさないようにしたりすることが重要である。
症状
潜伏期間は一般的に6~48時間程度だが、最近では100時間を超えたあとに発症する場合もある。主な症状は腹痛、下痢、発熱で、特に高熱を伴うことが多い。軽症例では症状は発病後1~2日で回復に向かい、排菌期間も2週間以内であるが、重症例では1ヶ月以上も排菌が持続し、保菌者となって長期排菌する例もある。重症例では死亡するケースもある。
予防
・生の食肉類に触れた手で他の食品や器具類を触らない。・調理時に食肉類は十分に加熱し、特に鶏卵は75℃で1分以上の加熱を行う。
・媒介となるネズミやゴキブリの駆除を徹底し、ペットの扱いにも注意する。
更新日:2019年07月30日
作成日:2018年09月13日
更新日:2019年07月30日
作成日:2018年09月13日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• カンピロバクター
カンピロバクター【英:Campylobacter】 元々、家畜(豚・牛・羊など)や家禽(鶏など)の腸管・生殖器に生息しており、家畜の流産や腸炎を起こすものとして発見された。特に鶏の保菌率が高い。 その後、1970年代には家畜だけでなく人に腸炎を起こす菌であることが判明した。 原因 加熱不十分の鶏肉や豚肉、牛肉料理、牛乳、生肉全般からの二次汚染などがある。特に、鶏刺しや鶏鍋、焼き鳥等の鶏肉関連の調理食品やサラダ等からの感染が多い。この他、動物の糞便で汚染された井戸水、湧き水、水道水を感染源とした水系感染の事例や、犬・猫・小鳥などのペット類との接触による直接感染などがある。 症状 潜伏期間は、2~5日間と他の細菌性食中毒の場合に比べ長いのが特徴。平均2~3日で発病する。患者の主症状は、下痢・腹痛・嘔吐・発熱である。下痢は水様便で、血便や粘液便を伴うこともあり、通常1日に2~6回で1~3日間続く。まれにギランバレー症候群(末梢神経麻痺)を引き起こす。 予防 予防として、肉類は十分な加熱調理を行う。(バーベキューの生焼けに注意) また、生肉と生野菜や調理済み食品とが接触しないように冷蔵保存し、生肉を取り扱った後は厳重な手洗い・消毒を行う。
• 全卵
製菓、製パンで使う卵には一般的に白玉、赤玉、薄赤玉、特殊卵といったものがある。 鶏の飼育地や飼料によって卵の色や成分は変わり、使う人の考えによって使い分けることもある。 特殊卵などではビタミンを強化した物、海藻を混ぜたものなど健康を意識して卵を選んだり、それを売りとすることも多い。シンプルな材料ながら風味や色、栄養素がそれぞれ違った、様々な卵がある。 製菓材料として使われている卵に加工卵という物もある。 卵割後に殺菌したもので大量生産の工場などでよく使われている。 凍結卵という物もあるが、生卵を冷凍することは出来ない。 凍結卵は20%前後の砂糖を加糖した物が多く、賞味期限が長い点など使い勝手もいいが、砂糖の配合を調整して使う必要がある。 →卵黄・卵白の性質 卵の規格サイズ 卵の規格は農林水産省で定めたものがあり、下記の重量で表されます。 LL 70g以上76g未満 L 64g以上70g未満 M 58g以上64g未満 MS 52g以上58g未満 S 46g以上52g未満 SS 40g以上46g未満 構造 卵は、卵殻・卵殻膜(カラの内側にあるうす皮)、卵白、卵黄からなっており、基本的にその割合は1 対6対3となっている。 卵殻 卵殻は「カラ」と呼ばれている部分でたまごの内部を守る働きがあり、成分のほとんどが炭酸カルシウムで出来ている。 カラ気孔と呼ばれている小さな穴がたくさんあり、その気孔で「胚」(ひよこになる部分)の呼吸に必要な酸素を取り入れ、内部で発生した炭酸ガスを排泄し、ガス交換を行っている。 そのため、卵は20度前後の室温で2~3週間は保存が出来るが、殻にひびが入ったりすると必要以上の酸酸素が入り、そこから腐敗がはじまる。 基本的に白い羽毛の鶏が白い卵は産み、羽毛も茶褐色の鶏が赤い卵を産む。 一般的に白玉は安定した価格と品質の提供が求められるため、衛生管理が行き届いた大規模な養鶏場で飼育されることが多い。 逆に自然に近い状態で鶏を平飼いをし、飼料や環境にこだわった卵などは栄養価が高い赤玉になることが多い。 卵の鮮度 新鮮な卵は クチクラ という物で覆われているので表面がざらざらしている。 これが新鮮な卵か見分ける一つのポイントだったが、最近では市販されている卵の多くが洗浄されてから出荷されているため、卵の表面で鮮度を判断することは難しくなってきている。 卵は見た目だけでなく、割ってみて鮮度を確認することができる。新鮮な卵は黄身も白身も盛り上がっている。これが2~3週間ほどたってくると白身の盛り上がりがなくなり、黄身の盛り上がりも小さくなる。さらに古くなると黄身も白身も盛り上がりがなくなり、黄身も白身も平たく広がってしまう。黄身が割れやすいため、古い卵を割卵して卵白だけ使う場合は注意が必要である。 また、新鮮な卵は炭酸ガスにより卵白に濁りが生じる。炭酸ガスは殻の気孔を通じて徐々に抜けていき、それに伴って卵白の透明化が進行していく。新鮮な卵をゆで卵にすると殻が剥きにくい事があるが、これは炭酸ガスが抜けていない卵で殻と身に隙間がないため。 卵の性質 熱変性 卵の主な成分であるたんぱく質は、熱を加えると固まるという性質がある。 卵白と卵黄では、含まれているたんぱく質の性質が違うため、凝固し始める温度にも差がある。卵白の方が低い58度から凝固し始めるが、完全に固める温度は80度まで上げる必要がある。 それに比べ卵黄は固まり始めの温度は白身より高く、65度前後で固まり始め、65~70度を維持すると完全に固めることができる。 乳化性 乳化作用とは油と水を繋がる働きの事。卵黄にはレシチンが多く含まれていて、レシチンは水溶性と脂溶性という反発する2つの性質を繋げてくれる働きがある。新しい黄身ほど多くのレシチンが含まれているので、この性質を調理に利用する場合にはより新しいものを使う。 起泡性 卵には卵白の持つ表面張力、空気変性などの作用により、泡立てるとどんどん空気を抱え込む性質がある。 メレンゲを作る際、砂糖を入れると泡立ちにくい強いメレンゲが出来るといわれるが、これは砂糖の働きによるもので、たんぱく質の変性を抑える働きによるものである。 表面張力も弱めると泡立ちやすくなるが、弱いというのは、水溶化した卵白の事を意味さし、新鮮な卵白もほぐすことや、キウイ、パイナップルとなどとあわせ、これらのフルーツに含まれるたんぱく質分解酵素の働きで水溶化させたり、あとは日にちが経った卵白を使うなど、水溶化した卵白を使うケースが多い。