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牛乳の殺菌法

カテゴリ:乳製品

牛乳の殺菌法
牛乳は法令に基づき、飲用目的で牛乳を消費する場合には必ず殺菌することが義務付けられている。生乳には病原菌や腐敗菌など多くの菌が存在し、それを殺菌することによって減少させる必要があるためである。

高温短時間殺菌法

高温短時間殺菌法は『High Temperature Short Time』と言われ、その頭文字をとって『HTST』とも言われている。摂氏72度~75度、15秒以上の高温短期間で加熱し殺菌する方法である。もとは欧米諸国で使われていた方法だが、日本にも導入され急速に普及した。加熱と冷却を繰り返し効率よく殺菌させ、大量に殺菌ができるだけでなく牛乳が密閉された中で行われるため、衛生面でも優れている。

高温保持殺菌法

高温保持殺菌法は『High Temperature Long Time』と言われ、その頭文字を取って『HTLT』とも言われている。摂氏75度以上の高温で15分以上の長い時間をかけて殺菌することが条件となっている。高温短時間殺菌法を、より進化させ高温かつ長時間に牛乳の殺菌を行う方法である。

超高温瞬間殺菌法

超高温瞬間殺菌法は『Ultra High temperature Treatment』と言われ、その頭文字を取って『UHT』とも言われている。摂氏100度以上の超高温で、数秒という一瞬のみ牛乳殺菌処理する方法で、現在日本の牛乳殺菌法の主流となっている。日本国内で大量に牛乳を消費するようになったため、この殺菌法が使われるようになった。

超高温処理殺菌法には間接加熱法と直接加熱法の2種類がある。
間接加熱法は牛乳と加熱媒体が壁で仕切られて別に置かれていて、熱交換によって加熱殺菌される方法で、コストが安い点が特徴である。
直接加熱法は牛乳の中に直接加熱蒸気を吹き込む方法で、蒸気でいっぱいになっている容器の中に牛乳を吹き込む。この方法では、牛乳の過熱と冷却が急速に行えるため、加熱部分に牛乳内のたんぱく質の沈着が軽減できる。それによって、長時間機械の運転が可能になるが、ランニングコストが高くなるという特徴がある。

低温保持殺菌法

低温保持殺菌法は『Low Temperature Long Timeと言われ、その頭文字を取って『LTLT』とも言われている。摂氏62度~65度の低温で、30分間以上の長い時間をかけて牛乳殺菌する方法である。基本的な牛乳殺菌法ともいえるが、作業効率が悪いため、今では全体の2%ぐらいしかこの方法は使われていない。低温でじっくりと殺菌する点で、高温殺菌の他の方法よりも牛乳の風味が損なわれないというところが特徴である。


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