
メイラード反応
カテゴリ:性質・現象

ケーキのスポンジやタルト、パイ、シュー、クッキー生地などを焼成したときの「焼き色」がアミノーカルボニル(メイラード)反応によりできたもの。
材料の小麦粉・バター・卵・砂糖に含まれるタンパク質やアミノ酸などの「アミノ化合物」と、糖分に含まれる「還元糖」が加熱(160℃以上)されることにより、アミノーカルボニル(メイラード)反応がおこり、茶褐色の物質「メラノイジン」ができて、焼き色になる。
また、アミノーカルボニル(メイラード)反応は色が変化するだけでなく、アミノ酸の種類と加熱温度により特有の香気成分も生成される。
スポンジやタルト生地などを焼いた時の芳ばしい香りも、アミノーカルボニル(メイラード)反応によるもの。
アミノーカルボニル(メイラード)反応の仕組みは、まだ解明されていない部分が多いが、主要素である「アミノ化合物」と「還元糖」が多いほど反応を起こしやすくなる。
グラニュー糖より上白糖のほうが焼き色を付きやすいのは、上白糖には「還元糖」が多く含まれており、アミノーカルボニル(メイラード)反応を起こしやすいため。
更新日:2024年10月08日
作成日:2018年09月13日
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パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• 砂糖
砂糖【英:sugar、仏:sucre、独:zucker】 蔗糖を主成分とする天然甘味料。 さとうきびから作られる甘蔗糖、甜菜から作られる甜菜糖(ビート糖)が代表的である。 その他にもカエデ樹液から作られるカエデ糖(メープルシュガー)、さとうやしやココヤシか作られるやし糖(パームシュガー、ココナッツシュガー)などがある。 製法から分けると糖蜜分を含む含蜜糖(白下糖)と糖蜜分を分離した分蜜糖がある。製菓や料理で日常的に使用しているもののほとんどが分蜜糖である。 砂糖の種類 含蜜糖は主にさとうきびを絞った液に石灰を加え、裏ごしそのまま濃縮し固まらせた砂糖。糖蜜を含んでいるため、色が黒い。 分蜜糖はさとうきびの絞り液から不純物を取り除き、結晶化させ糖蜜を遠心分離機で取り除いたもの。糖蜜を取り除いたあとに精製しているため、色は白いものが多い。 含蜜糖(白下糖)・・・黒砂糖・再製糖 分蜜糖(車糖)・・・上白糖・中白糖・三温糖 分蜜糖(双目糖)・・・グラニュー糖・白双糖・中双糖 和三盆糖 加工糖・・・氷砂糖・角砂糖 赤砂糖(カソナード) でんぷん糖・・・水飴・トレハロース 天然甘味料・・・蜂蜜・メープルシュガー 砂糖の性質 1.高い保水性をもっている。 食品中の自由水をガッチリと掴むため防腐作用がある。 また、この保水性によりメレンゲや生クリームなどの気泡が安定しやすくなる。 2.水によく溶ける(親水性) 3.食品中の脂質過酸化防止作用 4.デンプンの老化の防止 5.砂糖に含まれる糖と加熱によってアミノ酸が反応し、焼き色を作り出す(メイラード反応、カラメル化) 6.周りから水分を取ろうとする(吸湿性)
• パータ・ジェノワーズ
パータ・ジェノワーズ【仏:pâte à génoise】 卵黄と卵白を一緒に泡立てて作ったスポンジ生地。 きめが細かく、しっとりとしたソフトな仕上がりが特徴。 手順 1:卵と砂糖を混ぜ、湯せんで人肌に温める 2:温まったら湯せんからはずしてリボン状に流れるくらいまで泡立てる 3:薄力粉を加えて粉けがなくなるまで混ぜる 4:溶かしバターを加えてさっくり混ぜる 5:生地を型に流しいれオーブンで焼く 6:型から出して冷ます ポイント 全卵を人肌に温めて泡立てるとき、室温によっても泡立ちやすさは変わってくるのでそのときの状態に合わせて温める温度を変化させる。 室温が低いと泡立ちにくいので少し高めに温める。 逆に夏場など室温が高い場合は低めにしないと、泡立ちすぎて生地のきめが粗くなる。 泡立てる時ミキサーの早さを高速→中速→低速にすると、最初に気泡量を増やして全体のボリュームをだし、低速にしていくことできめ細かい泡立ちにすることができる。 粉を入れ混ぜる時は、最初はダマにならないよう手早く混ぜ、生地につやがでるまで混ぜる。 最後に溶かしバターを入れる。60℃くらいに温めると気泡を壊さず、生地にまざりやすくなる。バターを入れてからは混ぜる回数が増えるにつれて気泡がどんどん潰れていくので、まぜる手数はできるだけ少なくするようにする。 焼き上がったら、型を台に打ちつけ、生地に含まれている水蒸気を抜く。こうすることで生地の中央がへこむのをふせげる。 冷ます時に冷ましすぎると乾燥してしまう。少し温かいまま番重にしまうと少し蒸らされしっとりとした生地になる。焼きあがったジェノワーズをそのまま置いておくと、乾燥してパサパサになってしまうので注意する。