
ブルーム
カテゴリ:性質・現象

チョコレートにおいてのブルームは、テンパリングしていないチョコレートの表面が変質して、白いカビのような模様・筋・斑点のようなものが表れる現象のことをいう。
チョコレートに含まれるココアバターの結晶構造が不安定で配列が脆い為、砂糖や油脂の粒子がチョコレートの中で移動しやすく、表面に模様として出やすくなる。
ファットブルームとシュガーブルームの2種類があり、食べても害はないが口当たりや風味は大幅に損なわれる。
ブルームの出たチョコレートは見た目や口当たりも悪く、手の中で溶け、ボロッと崩れてしまうほど脆くなる。
ブルームが出てしまった場合は、焼菓子やホットチョコレートにすると問題なく食べることができる。
また、果物や野菜の果実の表面についた白い粉状のロウ物質も同じくブルームといい、「果粉」とも呼ばれる。こちらは果実から自然に分泌される天然物質であり、新鮮で熟したものほど多いため、美味しさを見極める際の目安となる。
シュガーブルーム(チョコレート)
砂糖が原因となるブルーム現象。油脂混合物から砂糖が分離して起きる現象で、水分がチョコレートに含まれる砂糖を溶かす事が原因となる。
例えば、急激な温度変化(温度差10℃以上)を与えると、チョコレートの表面に水滴(結露)がつく。その水滴にチョコレートに含まれる砂糖が溶け出して、水分が蒸発すると、砂糖が結晶として残って表面に模様を作る。これがシュガーブルームである。
シュガーブルームを防ぐには、作業環境など、あらゆる水分や温度、湿度、蒸気に気をつける必要がある。
特にチョコレートを流す型や器具に水分が残っているまま作業すると起こりやすくなるため、注意すること。
ファットブルーム/オイルブルーム(チョコレート)
ココアバターが原因で起こるブルーム現象。チョコレートに含まれるココアバターが溶けて表面に浮き出し、そのまま冷え固まってまだら模様になる。
ココアバターは28℃前後で溶け始め、30℃以上になると完全に溶けて表面に浮き出るため、ファットブルームを防ぐためにはチョコレートの保存場所や温度に気をつける必要がある。
果物においてのブルーム(果粉)
熟した新鮮な果実に見られる白い粉のようなもので、果実の果皮表面に含まれる脂質から作られたロウが、表面に押し出されて形成されたもの。雨や朝露などの水分を弾き、温度や湿度など環境の変化、病気から果実を守る。また、果実からの水分蒸発(乾燥)を防いで鮮度を保つ働きがある。
市場業界では白粉(しろこ)とも呼ばれ、ブルームの残っているものほど市場価値が高いが、触れただけで落ちてしまう為、農家では丁寧に収穫・輸送されている。
主にブルームが付く果実や野菜は、ブドウ、プラム、ブルーベリー、りんご、柿、スイカ、ブロッコリーなど。
キュウリもブルームが出るものであったが、農薬と勘違いされ嫌われたことから、現在では品種改良されて最初からブルームの出ないものが作られている。
更新日:2020年04月03日
作成日:2018年09月13日
更新日:2020年04月03日
作成日:2018年09月13日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• チョコレート
チョコレート【英:chocolat(チョコレート)、仏:chocolat(ショコラ)】 チョコレートとは、カカオ豆の果肉(カカオニブ)を磨潰したカカオマスに粉糖、粉乳、ココアバターを加えてレファイナーでロール磨潰後、コンチェで撹拌し、温度調整(テンパリング)後、冷やし固めたもの。 チョコレートの中でも、カカオ分35%以上・うちココアバターを18%以上含み、代用油脂やレシチン以外の乳化剤を含まないものを純チョコレートという。 チョコレートの規格は、カカオ分21%・うちカカオバターを18パーセント以上含むものとなっている。 ※カカオ分とは、カカオニブ、カカオマス・カカオバター・ココアパウダーの水分を除いた合計量を指す。 →カカオ(豆)・カカオニブ・カカオマス →ココアバター(カカオバター) →ココアパウダー 準チョコレート 準チョコレートとは、カカオマスにココアパウダー、粉糖、粉乳、カカオバター(3%以上)、代用油脂を加え、ロール磨潰、精練し、温度調整(テンパリング)後、固めたもの。 準チョコレートの規格は、カカオ分が15%以上・うちカカオバター3%以上を含むものとなっている。 チョコレートと乳化剤 本来チョコレートの製造には乳化剤は必須ではないが、乳化剤を使用しなかった場合、撹拌して原料の成分を均一に結合させるのに72時間以上の時間がかかる。そのため、生産効率を配慮し、原料チョコレートを含めたチョコレート製品の多くに乳化剤が使用されている。 チョコレートに使われる乳化剤には、大豆由来のレシチンやグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどがある。
• すもも
プルーンとプラムはフランスでは同じものを指すが、日本での意味はそれぞれやや違っている。 日本では、果皮が赤いものがプラム、濃い紫色のものがプルーンであり、プラム=すももとされることが多い。 プラム【和:すもも、英:plum(プラム)、仏:prune(プリュンヌ)】 プラムはバラ科サクラ属の落葉小高木、また、その果実のことをいう。漢字では「李」とも書かれる。桃に比べて酸味が強いところから、日本では「すもも」という名がついたともいわれている。地域によっては、ハダンキョウあるいはハタンキョウ(巴旦杏)と呼ばれている。英語では"Asian plum","Japanese plum"などとも呼ばれる。古くから日本にあり、栽培されているものもあれば、自生しているものもある。 プラムは真夏の果実といわれていて、6月中旬から8月に市場に出回る。 ハウス栽培のものは5月中旬から出回る。 全体的に丸く赤みを帯び、桃のように縦に切れ込みが入っている。味は甘みの中に酸味があるさわやかな味で、果汁も多い。皮には特に酸味があり、栄養価も多いので、皮ごと食べることができる。 果肉は赤みのあるオレンジ色で、まるで桃のようだが、桃よりは酸味が強い。中には桃のような大きな種が1つ入っている。果肉の甘みと果皮の酸味のバランスがよく、果汁も豊富で、さっぱりとした味わいは夏の果物として人気がある。 形が左右対称になっている、ずっしりと重みを感じるハリのあるものが品質がよい。表面に白い粉を吹いているものがあるが、これはブルームといわれ鮮度の良いものの証でもある。熟すにつれて、プラムの甘い香りが立つので、香りのいいものを選ぶとよい。 タルトやケーキのトッピングはもちろんのこと、加熱してコンポートやジャム、ピューレにしてシャーベットやスムージー等に利用できる。 保存方法 保存方法は新聞紙などにくるんで乾燥しないようにして冷蔵庫で保存する。未熟なものは常温で放置して奥だけで室温で追熟する。 プルーン【英:prune(プラム)、仏:prune(プリュンヌ)】 プルーンはバラ科サクラ属西洋すももの果実の総称をいう。日本では西洋すもものことを指し、プラムとよく似ているが果皮も赤ではなく、濃い紫のブルーベリーに近い色をしている。 プルーンの生産は長野県が約7割に上る。プルーンは雨に弱く、雨が少ない場所でしか育たない。 旬は8月中旬から9月頃までで、実際には7月中旬から10月中旬頃まで市場に出回る。 プルーンの果皮もプラムと同様、ブルームが多くあるものが品質のよいもので、中には真っ白に思えるほど白い粉を拭く品種もある。 軸がついているものは軸が緑色のものの方が新しい。 もともとプルーンは皮が裂けやすい特徴があるため、ブルームは果実を保護する役割もある。 プルーンは皮が裂けやすい特徴があるため、未熟なまま収穫して収穫後追熟させて出荷するのが一般的である。市場には未熟なままで並ぶものも多い。また、表面が全体にしっかりと色付いていて、果実に張りがあり、硬すぎず少し弾力があるくらいのものを選ぶとよい。 プルーンはドライフルーツになっているものも多くみられるが、国産のプルーンは甘味も強く、生食に向いた品種が中心に作られているため、そのまま生で食べることもできる。また、果皮にはポリフェノールが多く含まれているため、皮ごと食べるといいとされている。プルーンはジャムやピューレ、シャーベットなどされることも多い。 保存方法 固く未熟な物は室温で追熟させる必要がある。冷蔵庫に入れるときは乾燥しないように紙かビニールに入れて保存する。冷凍庫でも保存できるため、水洗いしてから皮ごと冷凍するとよい。食べるときは、凍ったままでも、水にさらしておけば果皮がむきやすくなるが、栄養価が高いため、皮ごと食べるのも良い。