
フィンガーテスト
カテゴリ:仕込む
フィンガーテストはパン生地の発酵状態を確認する方法のひとつ。
一次発酵を終えたパン生地の中央に指で穴をあける。
手順
人差し指に打ち粉をまぶして、パン生地の真ん中に指を差し入れる。発酵が正常に進んでいる場合には、指でつけた穴は指は押し戻って小さくなり、穴は残ったままとなる。
発酵が不足している場合には、指でつけた穴は塞がってしまう。
発酵が行き過ぎている場合には、指を差し込んだとたんに生地全体がしぼんでしまう。
ここから生地の状態を見極める。
正常な判断を下すため、生地が膨らんでいる中心の位置で行うようにする。
発酵が不足する場合は様子を見ながらさらに発酵を進めて行くと良い。
過発酵したパンは、焼き上がりにシワや陥没が現れ、甘みがなくなる。焼き色も付きにくく、イースト臭やアルコール臭も強く出る上に気泡が入ってパサパサした仕上がりになり、冷めるとすぐ固くなってしまう。故にパンにおいての生地の発酵は非常に重要なものであり、過発酵したものは当然元に戻せないため、発酵の段階での注意が必要である。
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月13日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月13日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• イースト
イーストとは、パンを発酵して膨らませるための微生物をいう。発酵食品は様々あるが、パン専用の菌であるイーストは、パン酵母ともいわれている。イーストはほかの天然酵母よりも発酵する力が安定している。イーストは生イースト・ドライイースト・インスタントイーストがあるが、パンの種類によってうまく使い分ける必要がある。 生イースト 生イーストは菌を培養してその後水洗いし、水切りしたものを固形に固めて販売しているイーストである。粘土のような明るい黄土色をしている。 生イーストの特徴は、パン生地の糖質を分解する力に優れているため、発酵が早いところである。特に、砂糖が多くても発酵に耐えうるため、砂糖を多く使う菓子パンなどに適している。 また、低温にも耐えうるため、冷蔵庫や冷凍保存をする生地や発酵時間が短いソフト系のパンに適している。生イーストで作ったパンは柔らかい食感なのに噛み応えのある仕上りになるため、外はしっかり中はふんわりといった、甘い香りの引き立った特徴のパンに焼き上がる。イースト臭が残らないところもいいところである。 逆に、バケットなど糖分が少なく長時間発酵を必要とするパンには向かない。発酵が早いということはその分多くの糖質を必要とするため、生地の糖質を分解しすぎてしまい、風味や甘みを損なうかすかすのバケットになってしまう。 向いている製品 あんパン、菓子パン、ブリオッシュ、バターロールなど 保存方法 生イーストは乾燥に弱いため、店頭ではワックスペーパーに包まれて販売されている。使用後は乾燥を防ぐため、ワックスペーパーやラップ、キッチンペーパーに二重に包み、ビニール袋やタッパ―などで密封して冷蔵庫で保存する。キッチンペーパーが湿ってきたらこまめに取り換えるようにすると日持ちしやすい。だが、生イーストは未開封のものでも2週間ほどしか持たないため、開封後は2~3日で使い切るようにする。長く時間が経ったものは発酵力が弱まるため、パンが膨らまない原因にもなる。冷凍保存はできない。 ドライイースト ドライイーストは菌を低温で長時間かけて乾燥させ、水分を取り除いたものを細かい粒状にして販売しているイーストである。色は黄土色である。 ドライイーストの特徴は、パン生地の糖質を分解する力が弱いため、発酵に時間がかかるところである。乾燥しているため長時間保存がきくドライイーストだが、酵母が仮眠状態にあるため、事前にぬるま湯に入れて予備発酵をしなくてはならない。ドライイーストは、糖分に弱い性質を持つため、砂糖を多く含まないパン作りに適している。発酵に時間がかかるため、甘みの少ない食卓パンや濃い焼き色をつけたいパンに向いてる。また、イーストの独特な香りが残るため、酸味のあとに旨味や甘みが広がる独特な風味が味わえる。ドライイーストを使ったパンは弾力がありしっとりとした味わいが楽しめる。 向いている製品 フランスパンなどのハード系のパン、カンパーニュ、フォカッチャなど 保存方法 ドライイーストは保存に長けていて、開封しなければ2年、開封後も1か月日持ちする。直射日光を避け、風通しのいい冷暗所に保存する。開封後は密封容器に移し、冷蔵庫で保存するとよい。だが、時間が経つと発酵力が低下するため、早めに使い切るようにする。冷凍保存はできない。 インスタントイースト インスタントイーストはもっとも手軽に使えるイーストで、家庭でよく使われている。生イーストの賞味期限の短さと、ドライイーストの予備発酵の手間をなくした二つの利点をとったイーストである。保存期間も2年と長く、予備発酵をせず、小麦粉に混ぜ込んで使うことができる。どんなパンでも作りやすい万能なイースト。インスタントイーストを使えば、皮が柔らかく、もっちりしっとりした食感の万人受けするパンを手軽に焼き上げることができる。 保存方法 保存方法は、湿気を吸うとパンのふくらみに影響するので空気に触れないよう密封冷蔵庫で保存する。状態がよければ半年ぐらい持つ。冷凍保存をすることもできるが、やや発酵力が落ちるため、使うときはぬるま湯で戻してから使うようにする。
• 小麦粉の種類
日本では小麦の種類はでんぷんやたんぱく質などの成分の違いによって強力粉・中力粉・薄力粉などいくつかに分類している。グルテンの強いものから順に強力粉、中力粉、薄力粉と分けている。 日本は世界でも小麦の消費量が高く、そのほとんどは外国産小麦の輸入に頼っている。輸入元はアメリカは最も多く、半数以上を占めている。 外国産小麦の輸入のほとんどは、日本政府が買い入れて、国内の製粉会社などに売り渡すというシステムになっている。 強力粉 強力粉は「パンコムギ」と呼ばれる硬質小麦を原料に作られていて、主にアメリカやカナダから輸入している。 成分は灰分が0.3~0.35%程度、たんぱく質量が11.0~13.0%で、食パンなど白いパンを作ることが多いため、特等粉と呼ばれる灰分のものを使うことが多い。 強力粉は主にパンを作るのに使う小麦粉で、食パンや菓子パン、フランスパンなどの粘りの強いパンに適している。そのほかにも中華麺やソフト麺、乾燥パスタなどに使われる。 薄力粉を使った場合と比べると、硬い仕上がりになる。 英語圏では「Strong flour」や「Bread flour」と表記されるものが、強力粉に近いものにあたる。 準強力粉 準強力粉は中力粉と強力粉の中間に位置する小麦粉で、場合によっては中力粉と同じ分類になることもある。主に中間質小麦を使っていて、日本ではオーストラリアから輸入している。 成分は灰分が0.35~0.45%程度、たんぱく質量が10.5~12.5%で、パンやフランスパンなどを白いパンを作ることが多いため、一等粉と呼ばれる灰分のものを使うことが多い。 クロワッサンやデニッシュ、フランスパンなど、外はカリカリとした食感で、中はソフトでやわらかなパンを作るときに適している。 中力粉 中力粉はちょうど強力粉と薄力粉の中間に位置する小麦粉である。主に中間質小麦を原料使っていて、日本ではオーストラリアから輸入している。 成分は灰分が0.35~0.45%程度、たんぱく質量が7.5~10.5%で、パンやバケットに使われることが多い。多少色が黒くても構わなければ、二等粉と呼ばれるものを使うことも多い。 バゲット、お好み焼き、たこ焼き、うどんやなど粘りの少なめのパンや粉もの料理によく使われる。 強力粉と薄力粉を混ぜたものを中力粉の代用とすることもできるが、もとの中力粉とは加工特性が違うため、完全に同じものにはならない。 薄力粉 薄力粉は軟質小麦を原料にしていて、日本ではアメリカから輸入している。 成分は灰分が0.45~0.65%程度、たんぱく質量が6.5~9.0%で三等粉と呼ばれている物を使うことが多く、てんぷらの衣やパン粉などが適している。製菓において最も使われる小麦粉で、ケーキやクッキーなど軽い仕上がりのものに使われる。 タンパク質の含有量が少なければ少ないほど軽い繊細な仕上がりの製菓になるため、製菓用に「製菓用薄力粉」も販売されている。英語圏の表記では「cake flour」がこれに近い。 浮き粉 浮き粉は生地からグルテンを分離させた後に残った小麦粉のでんぷんをいう。『じん粉』や『本浮き粉』、『貫雪粉』とも呼ばれている。 成分はたんぱく質量は洗い流しているため限りなく0に近く、灰分が0.7~1.0%%ぐらいの三等粉と呼ばれている物を使うことが多い。 浮き粉は片栗粉のような質感があり、生地に使うことで、和菓子やエビ蒸し餃子のような中の餡が透けて見えるような半透明な仕上がりになる。 餡を透かしたい蒸し餃子や中華団子などの点心や和菓子、天ぷらやたこ焼き、玉子焼きにも使われる。また、スポンジケーキやロールケーキ、シフォンケーキなどふんわりと仕上げたい洋菓子に使われることもある。