
パータ・ビスキュイ
カテゴリ:生地

別立てのスポンジ生地。卵白に砂糖を加えてしっかりと泡立せるので、絞りだすことができる。パータ・ジェノワーズと違い、バターは入らない。
手順
1.ボウルに卵黄、砂糖を入れ、白っぽくなるまで泡立てる。(ブランシール)2.もうひとつのボールに卵白を入れ、砂糖を数回にわけ泡立てメレンゲを作る。
3.(2)のメレンゲを(1)の卵黄に加え、ゴムベラで切るようにして混ぜる。
4.粉を入れ、粉気がなくなりつやがでるまで混ぜる。
5.オーブンで焼成する。
ポイント
卵白は冷えた状態のほうが、きめが細かくしっかりとしたメレンゲが得られる。メレンゲはツノがしっかり立つくらいまで立てる。立てが甘いと、だれた生地になってしまう。また、立てすぎた場合もメレンゲが離水してきれいに焼き上がらない。
メレンゲを一気に加えるのではなく、少量卵黄に混ぜてなじませてから残りのメレンゲを合わせていくと、綺麗に手早く混ぜることができる。
混ぜ終わりはふんわりと絞れる状態が良い。
更新日:2019年08月06日
作成日:2018年10月20日
更新日:2019年08月06日
作成日:2018年10月20日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• パータ・ジェノワーズ
パータ・ジェノワーズ【仏:pâte à génoise】 卵黄と卵白を一緒に泡立てて作ったスポンジ生地。 きめが細かく、しっとりとしたソフトな仕上がりが特徴。 手順 1:卵と砂糖を混ぜ、湯せんで人肌に温める 2:温まったら湯せんからはずしてリボン状に流れるくらいまで泡立てる 3:薄力粉を加えて粉けがなくなるまで混ぜる 4:溶かしバターを加えてさっくり混ぜる 5:生地を型に流しいれオーブンで焼く 6:型から出して冷ます ポイント 全卵を人肌に温めて泡立てるとき、室温によっても泡立ちやすさは変わってくるのでそのときの状態に合わせて温める温度を変化させる。 室温が低いと泡立ちにくいので少し高めに温める。 逆に夏場など室温が高い場合は低めにしないと、泡立ちすぎて生地のきめが粗くなる。 泡立てる時ミキサーの早さを高速→中速→低速にすると、最初に気泡量を増やして全体のボリュームをだし、低速にしていくことできめ細かい泡立ちにすることができる。 粉を入れ混ぜる時は、最初はダマにならないよう手早く混ぜ、生地につやがでるまで混ぜる。 最後に溶かしバターを入れる。60℃くらいに温めると気泡を壊さず、生地にまざりやすくなる。バターを入れてからは混ぜる回数が増えるにつれて気泡がどんどん潰れていくので、まぜる手数はできるだけ少なくするようにする。 焼き上がったら、型を台に打ちつけ、生地に含まれている水蒸気を抜く。こうすることで生地の中央がへこむのをふせげる。 冷ます時に冷ましすぎると乾燥してしまう。少し温かいまま番重にしまうと少し蒸らされしっとりとした生地になる。焼きあがったジェノワーズをそのまま置いておくと、乾燥してパサパサになってしまうので注意する。
• 卵黄・卵白の性質
卵黄 卵黄はたんぱく質、脂質、糖質、無機塩類、ビタミンなど含まれているが、ひよこになる胚(はい)の発育中に消費される。 鶏卵の卵黄の成分は水分50%、脂質30%、タンパク質15%程度・ 脂質は中性脂肪が65~70%、リン脂質25~30%、コレステロール5%程度から成り立っている。 Lサイズの卵1個の卵黄の重さは約17gであるが、カロリーは66kcalと高く、脂質がかなり多い。 卵黄は基本的に冷蔵で保存する。冷凍保存はできない。冷凍卵黄が冷凍できるのは、砂糖が添加されているためである。 ◎卵黄の性質 乳化性 乳化作用とは油と水を繋がる働きの事。卵黄にはレシチンが多く含まれていて、レシチンは水溶性と脂溶性という反発する2つの性質を繋げてくれる働きがある。これは「卵黄レシチン」と呼ばれている。新しい黄身ほど多くのレシチンが含まれているので、この性質を調理に利用する場合にはより新しいものを使う。 凝固の温度や、卵黄は65℃で固まり始め、70℃で完全に固なる。 ◎卵黄の鮮度 卵黄の色調は、黄色い中にも薄いものや濃いもの、朱色に近い色など、さまざまなものがある。これは鶏の餌の栄養分などが卵黄に移行する性質によるもの。 新鮮な卵の黄身は張りがあり、こんもり盛り上がっている。しかし、時間が経過するにつれ、気孔を通してたまご内部の水分が蒸散していく。 まず卵白の水分が蒸散し、次に卵黄の水分が卵白に移動していく。その結果、卵黄は空気の少なくなった風船のように、表面にシワができることがある。 卵白 卵白はカラザ・水様卵白・濃厚卵白からなり、約90%が水分で残りはタンパク質で出来ている。 ◎卵白の性質 卵白に含まれるタンパク質は「起泡性」と「空気変性」という2つの特性を合わせ持っているため、メレンゲを作ることができる。卵白には表面張力がある。 メレンゲを作る際、卵白をしっかりほぐし、水溶化させることで、卵白の表面張力を弱めて広がろうとする力(起泡性)を生み出す。 さらに空気に触れることによって空気変性を起こし、空気に触れるたびに膜状に固まって1つ1つの気泡をしっかり包み込むように泡立っていく。 メレンゲに加える砂糖はこの気泡の「安定性」を高めるという作用がある。 砂糖にはたんぱく質の変性抑える働きがあり、空気変性の作用を抑制することで、きめ細かいメレンゲを作ることが出来る。 手でメレンゲを泡立てる場合、最初から砂糖を加えてしまうと卵白が重く粘り、メレンゲに混ぜ込める気泡の量が少なくなってくる。最初は卵白だけで泡立て始め、空気がしっかり含まれたところで、数回に分けて砂糖を加え、徐々に気泡のキメを細かくしていくとよい。 またハンドミキサーや機械で泡立てる場合は、砂糖を入れずに立て始めると、撹拌のスピードが非常に速いためタンパク質の変性が進みすぎてしまう。 最初の段階から少量の砂糖を加えて泡立て、たっぷりと空気が含まれたところで、残りの砂糖を数回に分けて加える。 砂糖の作用を利用し、配合や作りたいメレンゲによって砂糖を加えるタイミングも工夫することで、キメ細かく安定したメレンゲを作ることができる。 ◎卵白の鮮度 濃厚卵白は卵を割ったときに黄身のまわりにあるこんもりと盛り上がった白身部分で、新鮮であれば新鮮なほどもりあがっている。日にちが経つにつれて水溶化がはじまり、水っぽくなっていく。 水様卵白は水っぽく盛り上がりのない部分をさす。