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アルコール製剤

カテゴリ:包材・その他

アルコール製剤
食品用のアルコール製剤は、エタノールをメインとした食品添加物製剤で、食品加工の機械や調理器具の除菌、手指の消毒、食品の制菌や日持ちを向上させる目的で、多くの食品取扱現場で利用されている。
食品添加物で作られているため、安全性が高く、食材に直接噴霧して使用することができる。
特に葉病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌腸炎ビブリオサルモネラのような食中毒菌に対して強く効果があり、瞬間的な除菌力を発揮する。

アルコール製剤は危険物とされていないので、特に保管場所の制限や使用許可申請なども必要ない。
パティシエの現場では、パストリーゼ(Dover社)、アルペットなどがよく使われる。

使用用途

※メーカーによって使用量や使用用途が異なる場合があるので、必ず確認してから使用するようにする。

殺菌、除菌

アルコール製剤は殺菌、除菌に優れているため、食品取扱現場での衛生管理に活用できる。
中性の薬剤のため、食品加工機械や調理器具の金属部分に対しても腐食性が少なく、直接金属部分に噴霧したり不織布に含ませて拭くことができる。
噴霧できるため、細かくて手の届かない部分や分解が不可能な機械部分などにも幅広く使用することができる。
器具などに使用する場合、水分が残っているとアルコール消毒の効果が十分に発揮できないため、ペーパータオルなどでしっかりと水分を拭き取る。素手に使用する時も同様である。

除菌・防カビの目的でケーキなどのギフト菓子の包装前にスプレーしたり、クリームや餡などに練りこんだりして使用する。食品に直接噴霧しても問題はないが、製品に大量に練りこんでしまうと風味に影響したり、表示が必要となる場合があるので注意する。また、果物の果肉を直接浸さないようにする。

気泡消し

アルコール製剤は気泡消しにもよく使われる。
プリンやゼリーなど、液状の生地を流し込んだ際に表面に残った気泡は、アルコール製剤をスプレーで噴射することで消すことができる。

固定

番重や、広い面のバットなどにラップやOPPシートを敷く際にスプレーすることで、敷いたものを固定することもできる。

注意点

アルコール製剤は消毒効果があるものの汚れを落とす効果はない。そのため、基本的な汚れは先に落としたあとでアルコール製剤は使用することになる。
手指の消毒を行うときは、使用量で消毒効果に差が出るため、手指全体に十分薬液が行き渡るように使用し、15秒以内に乾かない程度の量(液状製剤の場合3ml、ゲル状製剤の場合2ml以上)を使用するようにする。
アルコール濃度が高ければ高いほど効果があるということはなく、80%を超えると逆に除菌力が低下するため、70%ぐらいの濃度がもっとも効果を発揮する。
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの
協力のもと制作されています。