
生クリーム
カテゴリ:乳製品

「クリーム」は生クリームの法規上の正式な名称。牛乳の中にある乳脂肪は脂肪球という粒の形をしており、それを遠心分離により濃縮した物。
用途に合わせて色々な種類のものが開発されている。業務用は牛乳と同じ1リットル入りの紙パックの物が多い。
やや黄色みを帯びた白色で、風味、口溶けに優れている。乳脂肪が多いクリームほど黄色っぽい。この色みは乳牛の食べる牧草由来のカロテノイド色素によるものである。
「クリーム」に乳化剤と安定剤を入れた物も生クリームと呼ばれることもある。
乳脂肪と安定剤は味に影響しない。生乳のみを原料としているものより賞味期限が長く、分離しにくくて保形性も高いので扱いやすい。
乳脂肪量
乳脂肪分20〜30%の物はコーヒーに加えるために作られたもの。コーヒーの苦味を抑えてマイルドな味わいにする。
コーヒー本来の風味や旨みを邪魔しない、低脂肪のクリームが好まれる。
35%の乳脂肪分がなければ、泡立てることができない。
一般的に35〜38%の低脂肪の物と、40〜45%の高脂肪の物とを製品に合わせて使い分けたり、混ぜて使ったりすることが多い。
→乳脂肪と植物性脂肪
製菓においての生クリームの重要性
生クリームが使われるケーキと言えば代表的なのは苺のショートケーキ。老若男女から根強い人気があり、今でも多くの店で売れ筋のケーキになっている。
このケーキに大量に使われる生クリームが店のイメージを決めると言っても過言ではない。
生クリームの味はメーカーや種類によってかなり違いがあり、生クリームの選び方がお店の味の個性になるともいえる。
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月12日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月12日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• サワークリーム
サワークリーム【英:sour cream(サワークリーム)、仏:crème aigre(クレーム・エーグル) サワークリーム は乳製品の一種で、生クリームを乳酸菌で発酵させた、いわゆる発酵クリームである。発酵することで生クリームはさわやかな酸味とコクが加わる。英語で「酸味のある・酸っぱい」を指す「サワー」にちなんでサワークリームと呼ばれるようになった。 特徴と種類 サワークリームは生クリームから作られるため脂肪分の豊富なペースト状のクリームとなる。脂肪分は16~21%を含み、乳酸菌による独特な酸味を持つ。この脂肪分の部分を40%減らしたものにライトサワークリーム、コンスターチやゼラチンなどの増粘剤によって作られているものに無脂サワークリームがある。 また乳脂肪分約28%、pH約4.5のサワークリームはクレーム・フレーシュ(仏語:crème fraîche)と呼ばれる。標準のサワークリームより酸味や粘度が低く、脂肪分が多い。クリームと微生物以外のものが入っているサワークリームは、ヨーロッパの表示規制でクレーム・フレーシュとして認められない。加熱しても塊にならないため、暖かいフランス料理に使われることが多い。 用途 サワークリームは伝統的にじゃがいもやスープにトッピングしたり、ビーフストロガノフに加えたり、サラダドレッシングなどの調味料、ディップにも使用される。 製菓では、チーズケーキを始め、クッキーやサブレ、ドーナツ、スコーンなどにも用いられる。サワークリームを使うことで、食感や質感に特徴を出すことができる。 例えば、クッキーやサブレなどの通常配合のバターの一部(5%前後)をサワークリームに置き換えることで、サクサクとした食感 になる。クレープ生地に入れると、もちっとした食感ではなく、軽い食感に仕上がる。 保存方法 冷蔵保存が必要となる。発酵食品ではあるが、完全に発酵させたものではないので、カビが生えてしまった場合、その部分を取り除いて使うということはできない。
• 乳脂肪と植物性脂肪
乳脂肪の生クリーム 乳脂肪の生クリームは生乳や牛乳を原料とし、その中に含まれている乳脂肪を濃縮したものをいう。成分規格では乳脂肪分が18%以上あり、植物性油脂や添加物を含まないものと決められている。一般に「生クリーム」(英: cream)と表記できるのはこの条件を満たしているものだけである。 乳脂肪の高いクリームは薄黄色の濃厚な液体で、まろやかな口当たりで風味よくコクがあるところが特徴である。一般的によく使われる生クリームである。 脂肪分が高いものほど短時間で泡立てられるが、分離しやすい。泡立てすぎるとぼそぼそとした舌ざわりのよくないクリームになる。 脂肪分が高いものほどずっしり濃厚な味わいになり、脂肪分が低いものほどさらっとした軽い口当たりになる。 ガトーショコラなどの濃厚でずっしりした仕上がりにしたいものには脂肪分の高いものを、チーズケーキのように軽くて口当たりよく仕上げたいものは脂肪分の低いものを使うとよい。 植物性脂肪の生クリーム 植物性脂肪の生クリームは植物性油脂に乳化剤などを加えて、クリームに似せて滑らかに加工した製品を指す。 植物性油脂とはコーン油、綿実油、大豆油、ヤシ油などの植物油と呼ばれているものである。これらは「生クリーム」と表記することはできず、代わりに「ホイップ」「フレッシュ」などと表記されていることが多い。 乳蛋白や脱脂粉乳が含まれているため、泡立てると真っ白になり、見た目が綺麗に仕上がる。口当たりが軽くさっぱりした味わいで、生クリームより安く手に入る。賞味期限もやや長めである。 泡立てた後、時間が経っても比較的ダレにくいという特徴がある。デメリットは泡立ちが悪く、立てるのにやや時間を有する。乳化剤、界面活性剤などが多く入っているため、植物性のみの使用は避ける人も多い。 コンパウンドクリーム コンパウンドクリームは乳脂肪の生クリームと植物性脂肪の生クリームを混ぜ合わせたもので、混脂タイプとも呼ばれている。乳脂肪の生クリームと植物性脂肪の生クリーム両方の利点を活かしたクリームで、デコレーションしてもダレにくく、泡立ても早い、使いやすいクリームでもある。