
分離
カテゴリ:性質・現象
例えばバターと卵を混ぜる際、混ぜ方や温度差などによって滑らかに乳化できない場合、水っぽくなり水分と油脂がバラバラで歪な状態になる。
バターケーキの分離
バターケーキはバターと砂糖と混ぜ合わせ、滑らかにした後に卵を加えていく。この時に、卵を一度に加えてしまうとうまく乳化できず、分離が起きる。分離した生地の焼き上がりはふくらみが足らず、目が粗いスポンジになります。分離を起こさないようにするためには、卵を少しずつ加えていき、しっかりと混ぜて滑らかになってから次を加えていくとよい。また少量の配合の場合は、卵はほぐして溶き卵にして少しずつ加えていかないと、分離しやすくなる。
乳化の時に大事なのが、それぞれの素材の温度と固さである。常温のバターに混ぜる卵は冷蔵庫から出したばかりのものではなく、常温のものの方が分離せずうまく乳化できる。
シュー生地の分離
シュー生地を作るときは、水とバターを沸騰させ小麦粉を一気に加えまぜて、生地をひと纏まりにする。この生地に卵を加えていきますが、卵を一気に加えすぎると、分離が起きて滑らかな生地にならない。卵は生地の状態を確認しつつ、何回かにわけ加える。シュー生地の温度が下がると、生地がしまってふくらみが悪いシューになるので、卵を加えるときは素早く作業をする必要がある。
チョコレートの分離
刻んだチョコを湯煎で溶かすとき、誤って湯煎の水がチョコレートの中に入ると、分離が起きる。水分とチョコは混ざらず、砂糖が水分を吸収してしまうため、ボソボソとした塊ができる。アーモンドクリームの分離
バターと砂糖をすり合わせてクリーム状にした後に卵を加えていくが、卵を多く加えすぎると乳化がうまくできず、分離が起きる。分離したアーモンドクリームは水っぽく柔らかい状態になる。卵を加えるときは、常温のものを使い、少しずつ数回に分け加えていくとよい。
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月13日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月13日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• チョコレート
チョコレート【英:chocolat(チョコレート)、仏:chocolat(ショコラ)】 チョコレートとは、カカオ豆の果肉(カカオニブ)を磨潰したカカオマスに粉糖、粉乳、ココアバターを加えてレファイナーでロール磨潰後、コンチェで撹拌し、温度調整(テンパリング)後、冷やし固めたもの。 チョコレートの中でも、カカオ分35%以上・うちココアバターを18%以上含み、代用油脂やレシチン以外の乳化剤を含まないものを純チョコレートという。 チョコレートの規格は、カカオ分21%・うちカカオバターを18パーセント以上含むものとなっている。 ※カカオ分とは、カカオニブ、カカオマス・カカオバター・ココアパウダーの水分を除いた合計量を指す。 →カカオ(豆)・カカオニブ・カカオマス →ココアバター(カカオバター) →ココアパウダー 準チョコレート 準チョコレートとは、カカオマスにココアパウダー、粉糖、粉乳、カカオバター(3%以上)、代用油脂を加え、ロール磨潰、精練し、温度調整(テンパリング)後、固めたもの。 準チョコレートの規格は、カカオ分が15%以上・うちカカオバター3%以上を含むものとなっている。 チョコレートと乳化剤 本来チョコレートの製造には乳化剤は必須ではないが、乳化剤を使用しなかった場合、撹拌して原料の成分を均一に結合させるのに72時間以上の時間がかかる。そのため、生産効率を配慮し、原料チョコレートを含めたチョコレート製品の多くに乳化剤が使用されている。 チョコレートに使われる乳化剤には、大豆由来のレシチンやグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどがある。
• パータ・シュー
パータ・シュー【仏:pâté à choux】 シュー生地のこと。 見た目がキャベツに似ていることからフランス語でのキャベツの意味の「シュー」と名前がついた。 パータ・シューを使ったお菓子の中に、シュー・ア・ラ・クレームやパリ・ブレスト、エクレア、サントノーレなどがある。 手順 1.バター、水(牛乳などの水分)、砂糖、塩を鍋にいれ沸騰させる 2.小麦粉を加え加熱しながらしっかりと混ぜ、しっかりと糊化させる 3.ボウルに移し溶きほぐした卵を少しずつ加えていく 4.絞り袋で天板に絞りドリュールを塗り霧吹きで水を吹きかけ窯に入れ焼く ポイント バターは常温に出しておく。冷たい状態だと加熱した時バターが溶けず、水分だけが飛んでしまう。 糊化させる時は鍋肌に生地がくっついてくるくらいまでが目安。 出来上がった生地は上から落としてみてスゥーっと2、3回落ちるくらいの固さがよい。 また、作る物によって炊き上げる生地の固さは変える。 窯は途中で開けると生地がしぼんでしまうので開けないようにする。 最初は下火を強くし、膨らませてから上火をあげて焼成すると色がつく。