
ムラング・フランセーズ
カテゴリ:製造過程
加熱をせず、冷たい状態で泡立てるメレンゲで、別名ムラング・フロワッド【仏:meringue froide】とも呼ばれる。
手順
卵白に砂糖を三回に分けて加えて泡立てる。泡立てる卵白は、しっかり冷やしておくこと。
砂糖を数回に分けて入れること。
一回目は砂糖の3分の1を入れ、ホイッパーのすじがついてきたらまた3分の1を入れ、少しボリュームがでたら残りを入れる。
注意点
・卵白に油分(卵黄など)が入らないように気をつけること。・卵白に対して砂糖が半分以下のレシピの場合、最初から砂糖を全部加えないとキメが荒くなってしまう。
・たてすぎた場合や生地を合わせるときにボソボソになる場合はホイッパーでメレンゲを崩し、状態を整えてから使う。
・卵白にたいして砂糖が半分以上入るレシピの場合、最初から砂糖を全部入れると目の詰まったメレンゲができるが、ボリュームがでない。
モンブランの土台などしっかりしたメレンゲを作る際には適しているので、作る製品によって砂糖を入れるタイミングや量は調整するようにする。
・メレンゲはたてすぎると、生地と混ざりにくくなり、離水して状態も悪くなるので、作りたいメレンゲの状態の気持ち手前でとめて調整するとよい。
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年10月23日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年10月23日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• ムラング・イタリエンヌ
ムラング・イタリエンヌ【仏:meringue italienne】 イタリアン・メレンゲ【英:Italian meringue】 卵白に高温で煮詰めたシロップを加えて泡立てて作るメレンゲ。 粘性があり、かたくしっかりとした質感が特徴的。 主にムースを作る際やバタークリームのベースに使用される。 保形性があるのでケーキの表面にしたり、絞り出してデコレーションすることもできる。 作り方について イタリアンメレンゲは、砂糖を水に溶かしてシロップにすることによって、多くの砂糖を加えられる。そのため、他のメレンゲと比べて粘性が強いメレンゲができあがる。仕込みの際はミキサーを使った方が、シロップが均一になじみ、綺麗なメレンゲにすることができる。 基本的には卵白の重量に対して二倍量の砂糖を加える配合が多い。 シロップにせずに二倍量の砂糖をそのまま加えた場合、砂糖が卵白の水分を吸収し、砂糖が溶けるための水分が足りなくなるため、途中で一定以上泡立たなくなってしまう。そのため、砂糖が溶けるのに必要な水分をシロップにすることで補う。 また、砂糖は全てシロップにしてしまうのではなく、一部を卵白に加えて泡立てる。これは砂糖を加えることで、砂糖が卵白の水分を吸収することでメレンゲの泡が壊れにくくなるため。そのため、砂糖を入れずに泡立てた卵白にそのままシロップを加えるよりもメレンゲがきめ細かく仕上がる。 シロップを加えるのに適切なメレンゲの泡立ち状態のタイミングは、卵白に対する砂糖の量、すなわち配合で変わってくる。シロップの砂糖量が多いほどシロップの粘性が強まり、メレンゲに加えたあとは泡立たなくなってくるため、卵白をしっかりと泡立ててからシロップを加えた方がよい。 シロップを加える状態の目安 卵白に対する砂糖量が150%以下→五〜七分立ての状態 卵白に対する砂糖量が150%(〜200%)→六〜九分立ての状態 泡立てた卵白に熱したシロップを加えることにより、卵白の気泡の中の空気が熱により膨張して体積を増し、気泡が大きくなっていく。そのため、シロップを加える段階でできている気泡が小さい方が、シロップを加えてからも気泡が大きくなりすぎず、きめの細かいイタリアンメレンゲを仕上げることができる。 シロップの温度 加えるシロップは118℃〜120℃に煮詰め、水分を飛ばしてから加える。 この温度は非常に重要で、適正な温度でシロップとメレンゲを合わせられなかった場合、うまくなじまずにシロップがそこにたまって固まってしまう。結果的に砂糖が分量分メレンゲに入らず、締まりがなく、もろもろとした粗い仕上がりになる。 シロップの温度が低かった場合も煮詰めすぎた場合もシロップは固まってしまうため、砂糖を加えた卵白が泡立つタイミングとシロップが煮詰まるタイミングが合うように作業を進める必要がある。 シロップは110℃を越えると、煮詰まるに連れて泡が小さくなり、粘りが出てくる。118℃前後になると、バラバラだった泡の大きさが揃ってくるため、小さい泡が均一になった状態が、温度計を使わずに温度を見極める際のひとつの目安になる。 煮詰まったシロップを氷水の中で丸めると、小さな球を作ることができる。(プティ・ブーレ) 作った球が水あめのような柔らかい状態であれば、118〜120℃になっていると判断できる。 メレンゲが熱をもっている状態で泡立てをやめると気泡が壊れやすい状態のまま仕上がってしまうため、良い状態まで泡立てたあとはミキサーの速度を落とし、粗熱がとれるまで粒を揃えるようなイメージでゆっくりと泡立てる。 →セレ
• 砂糖
砂糖【英:sugar、仏:sucre、独:zucker】 蔗糖を主成分とする天然甘味料。 さとうきびから作られる甘蔗糖、甜菜から作られる甜菜糖(ビート糖)が代表的である。 その他にもカエデ樹液から作られるカエデ糖(メープルシュガー)、さとうやしやココヤシか作られるやし糖(パームシュガー、ココナッツシュガー)などがある。 製法から分けると糖蜜分を含む含蜜糖(白下糖)と糖蜜分を分離した分蜜糖がある。製菓や料理で日常的に使用しているもののほとんどが分蜜糖である。 砂糖の種類 含蜜糖は主にさとうきびを絞った液に石灰を加え、裏ごしそのまま濃縮し固まらせた砂糖。糖蜜を含んでいるため、色が黒い。 分蜜糖はさとうきびの絞り液から不純物を取り除き、結晶化させ糖蜜を遠心分離機で取り除いたもの。糖蜜を取り除いたあとに精製しているため、色は白いものが多い。 含蜜糖(白下糖)・・・黒砂糖・再製糖 分蜜糖(車糖)・・・上白糖・中白糖・三温糖 分蜜糖(双目糖)・・・グラニュー糖・白双糖・中双糖 和三盆糖 加工糖・・・氷砂糖・角砂糖 赤砂糖(カソナード) でんぷん糖・・・水飴・トレハロース 天然甘味料・・・蜂蜜・メープルシュガー 砂糖の性質 1.高い保水性をもっている。 食品中の自由水をガッチリと掴むため防腐作用がある。 また、この保水性によりメレンゲや生クリームなどの気泡が安定しやすくなる。 2.水によく溶ける(親水性) 3.食品中の脂質過酸化防止作用 4.デンプンの老化の防止 5.砂糖に含まれる糖と加熱によってアミノ酸が反応し、焼き色を作り出す(メイラード反応、カラメル化) 6.周りから水分を取ろうとする(吸湿性)