採用担当者の声：ハンブルグ小西久生オーナー

2015/07/15

大阪府洋菓子協会の副会長を務めた経験を持ち、「なにわの名工」としても洋菓子業界の発展に貢献されてきた「ハンブルグ」オーナーの小西さん。
創業30年、現在5店舗にまで成長することができたのは、やはり小西さんが「人」を大切にしてきたからではないでしょうか。
今回は採用担当者として、転職者に伝えたいことなどをお聞きしてきました！

求職者が転職のタイミングで考えるべきことはありますか？

長く洋菓子協会に携わってきてこの業界のいろいろな面を見てきましたが、せっかくパティシエとして働くからには是非長くこの業界で働いてもらいたいと思っています。
求職者の方にももちろん「長く働きたい」と思ってもらえる業界でありたいとも考えていますが、パティシエとしてどんな風に成長していきたいのか、どう働いていきたいのか、というのは転職のタイミングで是非考えてもらいたいですね。

自分は修業時代にはとにかく技術のためには時間を惜しまずに頑張っていましたが、最近は世の中も変わってきて、労働環境をしっかり整えることが重要になってきています。
うちの店では長く働いてもらうために夏の閑散期に週3回の休みがある週があったり、新卒のパティシエの労働時間を思い切り短く設定してみたり、いろいろな仕組みを取り入れています。
では働く側はどんな思いで今後パティシエとして働いていこうと考えているのか、私も気になるポイントですね。

「こんな子がほしい！」というイメージはありますか？

「はい」と言える素直さのある方が良いですね。
技術は後からいくらでも身に付けることができますが、働く姿勢や個人の性格までを変えるのは難しいので、「素直さ」は一番のポイントだと思います。

うちの店は工場のようにスタッフの人数が多いわけではないので、スタッフ同士の距離も近くなります。
そのときに気持ちの良い返事ができたり、若いパティシエであれば先輩から可愛がってもらえる、いろいろなことを教えてもらえるようなかわいげ、愛嬌があるというのは技術的にも人としても成長していく上で必要になると思います。

面接のときに見るポイント、よくする質問を教えてください。

新卒の場合、どんなことでも人に言われる前にできる子か、というのは見るようにしています。
指示された仕事をきっちりするのは当たり前。それ以外にも、作業スペースの汚れに気付いたら言われる前に掃除したり、こちらから指示する前に仕事の内容を聞いてきたり、簡単に言うとガッツがあるかどうかですね。

中途の場合は、実は30分話せばだいたいわかるんですけど。
ポイントとしては、やる気、前向きさ、仕事への取り組み姿勢　の3点です。人柄は明るくてコミュニケーションがしっかりとれる人かどうか。

あまり顔や態度に出なくても、秘めたモノを持っている人は良いですね。
こういった内面の熱い人は、目的意識がしっかりしていて仕事への取り組み方が主体的なことが多いので。

スタッフが壁にぶつかっていたら、どんなサポートをしていますか？

サポートするためには、まずスタッフが日々どんな気持ちで仕事をしているのか知る必要があります。
特に入社して日が浅いスタッフに対しては毎日声をかけて、「今日はどうやった？」とこまめにケアをしていくことが大切です。

毎日話していると「今日は元気がないな」などわかるようになりますので、そのタイミングで「元気ないけど大丈夫か？」と声をかけることができます。
なので、どちらかと言うと大きな壁にぶつかる前に、こまめにケアをするようにしている、という感じですね。

転職活動をしている人に向けて一言お願いします！

洋菓子業界は労働環境が整っている職場が多いとは言えない業界ですが、待遇ばかりを重視して転職先を決めないで欲しいと思います。
「損して得取れ」という言葉がありますが、労働時間が長かったり給料が安かったりしても良い職場に入ることができれば、そこでの経験は将来的に大きな財産になります。

パティシエとして長く働いていくのであれば、自分はどんなパティシエになりたいのか、そのために必要なことは何なのか、しっかり考えてほしいですね。