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砂糖

• 砂糖

砂糖【英:sugar、仏:sucre、独:zucker】 蔗糖を主成分とする天然甘味料。 さとうきびから作られる甘蔗糖、甜菜から作られる甜菜糖(ビート糖)が代表的である。 その他にもカエデ樹液から作られるカエデ糖(メープルシュガー)、さとうやしやココヤシか作られるやし糖(パームシュガー、ココナッツシュガー)などがある。 製法から分けると糖蜜分を含む含蜜糖(白下糖)と糖蜜分を分離した分蜜糖がある。製菓や料理で日常的に使用しているもののほとんどが分蜜糖である。 砂糖の種類 含蜜糖は主にさとうきびを絞った液に石灰を加え、裏ごしそのまま濃縮し固まらせた砂糖。糖蜜を含んでいるため、色が黒い。 分蜜糖はさとうきびの絞り液から不純物を取り除き、結晶化させ糖蜜を遠心分離機で取り除いたもの。糖蜜を取り除いたあとに精製しているため、色は白いものが多い。 含蜜糖(白下糖)・・・黒砂糖・再製糖 分蜜糖(車糖)・・・上白糖・中白糖・三温糖 分蜜糖(双目糖)・・・グラニュー糖・白双糖・中双糖 和三盆糖 加工糖・・・氷砂糖・角砂糖 赤砂糖(カソナード) でんぷん糖・・・水飴・トレハロース 天然甘味料・・・蜂蜜・メープルシュガー 砂糖の性質 1.高い保水性をもっている。 食品中の自由水をガッチリと掴むため防腐作用がある。 また、この保水性によりメレンゲや生クリームなどの気泡が安定しやすくなる。 2.水によく溶ける(親水性) 3.食品中の脂質過酸化防止作用 4.デンプンの老化の防止 5.砂糖に含まれる糖と加熱によってアミノ酸が反応し、焼き色を作り出す(メイラード反応、カラメル化) 6.周りから水分を取ろうとする(吸湿性)


• 含蜜糖(白下糖)

含蜜糖(白下糖)とは、ミネラルなどの成分を多く含む「糖蜜」と結晶をわけずに製造したものである。 ※糖蜜 :サトウキビの茎を絞り出したショ糖を含む糖汁。精蜜を煮詰めると結晶ができる。 黒砂糖(別名:大島糖) 精蜜を加熱し、水分を蒸発させて撹拌冷却して固めたもの。沖縄や奄美島、種子島などの甘蔗から作られる。 黒砂糖と黒糖は同義。色は茶色。糖蜜を除かずに作るため、灰分やミネラル分を多く含むコクのある味わいになっている。 粗糖などと黒糖を加えて作ったものは加工黒糖という。 かりんとうなどの駄菓子に使われることが多い。


• 分蜜糖(車糖)

上白糖 日本人に最も愛されている万能な砂糖。同時に、日本以外ではほとんど使用されていない砂糖でもある。 糖の再結晶を防ぐ目的で転化糖が添加されているため、結晶が細かく、甘味が強くしっとりとした質感をしている。クセのない強い甘味が特徴。 水に溶けやすく熱するとコクが出る。焼き菓子に使用すると、しっとりと仕上がる。 洋菓子や和菓子、飲料はもちろん、料理にも使われる。 中白糖 上白糖よりも転化糖と水分を多く含み、さらにしっとりとしている。 市場にはほとんど出回っていない。純度が低く、淡黄色をしている。上白糖よりも少し甘い。みたらしのタレやあんこ、甘納豆などに使われる。 三温糖 日本の家庭に馴染み深く、純度の高い精製糖。上白糖よりは純度が低くく、わずかにミネラルが残っている。 製法は上白糖と同じだが、製造工程の最後で結晶と分離させた製糖用の精蜜を再利用して再び結晶させている。この『糖蜜を再三加熱して作る』という工程が、名前の由来になっている。 製品によっては、上白糖にカラメルを添加したものも用いられてものもある。 料理に使用すると濃厚な深い味わいに仕上がる。 菓子や飲料をはじめ、煮物や照り焼き、味噌料理などにもよく使われる。


• 分蜜糖(双目糖)

グラニュー糖 双目(ざらめ)糖の中で最も小さな結晶の砂糖。 質の良い純粋な甘味と淡白な味が特徴。サラサラとしていて見た目にツヤがある。 水に溶けやすく、他の原材料とも混ざりやすい。 洋菓子製造において最も一般的に使われている。 白双糖(しろざらとう) グラニュー糖とほぼ同じくらい高い純度で、四角い無色透明の小粒の分蜜糖である。 ざらめ糖というと、この砂糖を指すことが多い。 最も純度の高い砂糖の一つでクセがなく上品な甘味。 高温に強い。熱しても変形変色しにくく、ガリガリとした独特の食感になる。 洋菓子のトッピングや飲料、わたあめなどに使われる。 中双糖(ちゅうざらとう) 双目(ざらめ)糖の一つで白双糖にカラメルを添加した砂糖。 黄褐色の小粒で、まろやかな風味と滑らかな甘さが特徴。 醤油と相性が良く、カルメ焼きや和菓子において重宝されている。 煮物や照り焼き、すき焼きなどの和食にも使われる。


• 和三盆糖

和三盆は国産の伝統的な高級砂糖である。 主な生産地は四国で、竹糖という細いサトウキビのみを使用している。 三盆という呼び名は、「盆の上で砂糖を三度研ぐ」という日本で生まれた独自の精糖工程から来たもの。 中国産の唐三盆と混同されないよう、和三盆という名がつけられた。 品のある甘味をもち、きめ細かく口溶けが良い。黒砂糖にも少し似た風味のある味わい。 淡黄色でサラサラとしている。高級和菓子、洋菓子に使用される。 製造方法 サトウキビの搾汁液から灰汁を取り、沈殿物を取り除いて煮詰め、白下糖(しろしたとう)を作る。 この白下糖は、苦味のある蜜分が含まれた糖質である。白下糖を研ぎ、さらに木綿の袋に入れて加圧して分蜜作業を行う。蜜抜きをする際、「押し船」と呼ばれる圧搾道具が使われる。 研ぎ”を繰り返し、少しずつ分蜜させる。のち寒風で丸一日かけて自然乾燥させる。 一週間以上手間暇かけて上質なものが作られるため、高級な砂糖として重宝されている。


• 加工糖

氷砂糖 氷のような大きな塊の砂糖。 ザラメ糖の仲間で、一粒が一つの結晶である。 ショ糖純度がとても高く、クセのないあっさりとした甘味が特徴。 転化糖やミネラル分が少ないため、混合する素材の風味を生かしたものを作りたい場合に向いている。 製造工程によって形が整っている「クリスタルタイプ」と岩のように凹凸があり形がバラバラの「ロックタイプ」の2種類がある。 水に溶けるのに時間がかかる。 クリスタルタイプよりロックタイプの方が凹凸がある分早く水に溶ける。 湿気にも強いため、開封後も長期保存が可能である。 角砂糖 グラニュー糖を四角の立方体に固めて形成したもの。 匂いがなく使いやすい。角砂糖2個ほどで計量スプーン一杯分(約12g)になる。計る手間が省け、少量使いたい際に便利。 大きさには種類があり、小型が3.7g(約4g)、大型が6.3gのものがある。近年は5gのものも販売されている。


• 赤砂糖(カソナード)

サトウキビを原料につくられた粗糖。フランスでは一般的な砂糖である。 サトウキビ由来のラム酒を思わせる風味と独特の強い香りが特徴。 加熱すると均一に溶ける性質があるのでクレーム・ブリュレのキャラメリゼに適している。


• その他甘味料

でんぷん糖とは でんぷんを酸あるいは酵素を用いて加水分解して得られる糖類のこと 還元水飴 糖質系甘味料の糖アルコールの一種。 水飴に水素を添加して作られた低カロリーの甘味料。砂糖の代替甘味料として使用されている。 糖度は低めで、砂糖の10〜65%の甘さである。デキストリンの保湿性や浸透性による増粘効果や艶出し、乾き止め、砂糖の結晶防止などの効果がある。また、デキストリンは焦げやすいため、餡に使用する場合は練り上げのタイミングで加えると焦げつきを防げる。糖化度が高いものほど甘さが強く、メイラード反応により色焼けしやすい。糖尿病予防や虫歯予防効果もある。 和菓子や洋菓子、ハム、ソーセージなどで使われる。 パンや菓子、コンビニのおにぎり、冷凍食品などにも使用される。 トレハロース ブドウ糖の2つの分子がグリコシド結合した糖類で、微小生物や植物の細胞内など。自然界にも存在している糖質のひとつである。 常温で白色の粉末状で水によく溶ける。 砂糖の38〜45%ほどの甘味度で、上品ですっきりとした味わいである。 カロリーは砂糖とさほど変わらない。 ◎性質 でんぷんの劣化防止(硬化抑制、透明感の維持) 保水性による離水の抑止(防止離水抑制) 吸放湿防止によるスポンジ生地など食感維持、泣き防止 タンパク質変性の抑制 脂質変敗抑制 加熱・加工臭の防止 冷凍食品の劣化防止(冷凍変性抑制、氷結晶抑制、保形性維持)


• 天然甘味料

蜂蜜 蜜蜂が草木の花の蜜を採取して体内で変化させ、熟成巣の中で濃縮して蓄えられた糖液を取り出したもの。花蜜のショ糖に蜜蜂の唾液内の酵素が作用し、果糖とブドウ糖に分解される。 蜜を採取する花の種類や季節により香りや味わい、色味、糖組織は異なる。主成分はブドウ糖と果糖で70%以上を占め、その他ショ糖が1~5%の他、蜜源に由来する独特の糖類を含んでいる。また、ブドウ糖と果糖の比率も、蜜源や採取時期によって異なる。 加工適正は転化糖や異性化糖液に準ずる。蜂蜜独特の風味を利用してムースに混ぜたり、焼き菓子に入れることでしっとりと仕上げることができる。 メープルシュガー 「砂糖楓(サトウカエデ)」の樹液を集めて、約40分の1まで煮詰めたメープルシロップの水分をさらに飛ばして乾燥させたもの。水分以外は何も引かずに作った、樹液だけで作った砂糖。主にカナダ東部やアメリカ東部の地域で生産される。 主成分はショ糖で、バニリンなどの芳香成分とリンゴ酸などの有機酸が含まれ独特の甘みと香りがあり、カルシウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富である。