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パティシエWikiロゴ パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

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発酵生地の菓子

• サヴァラン

サヴァラン【仏:Savarin】 ババ型(ダリヨル型)・サヴァラン型を使って焼いた発酵生地にシロップをたっぷりと染み込ませ、ラム酒をふりかけたお菓子。 ◎歴史 18世紀頃、フランス北部の都市、ナンシーに宮廷を構えていたロレーヌ公スタニスワフ一世の料理人がクグロフにラム酒をかけたデザートを作った。 ロレーヌ公が愛読書「千年一夜物語」の主人公から名前をとりアリババと名付けられたその菓子は、19世紀のはじめにパリの菓子店、ストレールでババ・オ・ロム(ラム酒風味のババという意味)として売り出されて広まっていった。 その後、ストレールで修行したオギュースト・ジュリアンがそのババを洗練して完成させ、美食家のブリヤ・サヴァランから名前をとってサヴァランと名付けた。 一般的にババの生地にはレーズンを加えてダリヨル型で焼き、サヴァランはレーズンを使わずにサヴァラン型で焼くが、レーズンの有無と型の組み合わせを一致させずに作られることも多いため、製品名としては混同されることも少なくない。


• クイニー・アマン

クイニー・アマン【仏:Kouign-amann】 イーストを入れて作ったデトランプを発酵させ、バターを折り込み、再び発酵させて成形した生地にグラニュー糖をまぶして焼成したもの。 歴史 ブルターニュ地方のドゥアルヌネ一帯でつくられている焼き菓子。 ブルトン語でKouignは菓子、amannはバターを指す。


• クグロフ

クグロフ【仏:Kouglof】 バターや牛乳、卵などが入ったリッチな配合の生地をクグロフ型(斜めに溝模様があり、中心が空洞のおの)で焼いた、オーストリア・ドイツ・フランスのアルザス地方を代表する伝統菓子。 オーストリアのウィーンではバターケーキのような製法で作られ、フランスのアルザス地方ではイーストを使用したブリオッシュ生地タイプのものが主流となっている。 歴史と由来 語源には、ドイツ語の【Kugelhoff】クーゲル(球)+ホフ(僧帽)が語源であるという説と、 【Kugelhupf】クーゲル(球)+ホップフ(ビール酵母)という説が存在する。 前者は形が僧帽に似ていることから来ており、後者はかつてはビール酵母を発酵させて作られていたことが由来となっている。 また、他にもフランスのアルザス地方のリボーヴィレ【Ribeauvillé】の陶器職人、クゲルの名が語源であるという説がある。 マリー・アントワネットが愛したお菓子としても有名で、18世紀に彼女がオーストリアからルイ16世のもとへ嫁ぐ際にフランスに伝えられたと言われている。


• ワッフル

ワッフル【仏:gaufre/英:waffle】 小麦粉と卵、バター、牛乳、砂糖、イースト等を混ぜて発酵させた生地を、格子状の鉄板に挟んで焼いた菓子。 ベルギーワッフルにはイーストで発酵させた生地にシュクレぺルルという大粒の砂糖を入れて焼いたハードタイプのリエージュワッフルと、同じくイースト発酵生地を使った、表面がカリッとしていて中はサクサクとしたリュッセルワッフルがある。 歴史 古代ギリシャのオベリオス(obelios:パン生地に卵、牛乳、蜂蜜等を合わせた、お菓子やパンの総称)と呼ばれたものが起源とされている。 宣教師達によってヨーロッパに伝えられたオベリオスは主に2つのルートで発展する。 5世紀頃、フランスではオベリオスが鉄板の上で丸く焼いたウーブリ(oublie)というお菓子に変化を遂げ、やがて模様をつけて焼くようになったゴーフル(gaufrer)となる。 7世紀頃、オランダではオベリオスが格子状の模様をつけて薄く焼いたお菓子(wafel)となり、後にwaffle(ワッフル)と呼ばれるようになる。