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パティシエWikiロゴ パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

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生地

• クラム

クラム【英:crumb】 製菓におけるクラムとは、ケーキクラムやパイクラムを指す。 スポンジ生地やパイ生地の切れ端や、乾燥焼きしたシュー生地などを砕いてふるいにかけ、細かく崩したもの。 主にケーキの側面やすそに飾られることが多い。 クラムには既製品として販売されているものもある。


• パータ・ジェノワーズ

パータ・ジェノワーズ【仏:pâte à génoise】 卵黄と卵白を一緒に泡立てて作ったスポンジ生地。 きめが細かく、しっとりとしたソフトな仕上がりが特徴。 手順 1:卵と砂糖を混ぜ、湯せんで人肌に温める 2:温まったら湯せんからはずしてリボン状に流れるくらいまで泡立てる 3:薄力粉を加えて粉けがなくなるまで混ぜる 4:溶かしバターを加えてさっくり混ぜる 5:生地を型に流しいれオーブンで焼く 6:型から出して冷ます ポイント 全卵を人肌に温めて泡立てるとき、室温によっても泡立ちやすさは変わってくるのでそのときの状態に合わせて温める温度を変化させる。 室温が低いと泡立ちにくいので少し高めに温める。 逆に夏場など室温が高い場合は低めにしないと、泡立ちすぎて生地のきめが粗くなる。 泡立てる時ミキサーの早さを高速→中速→低速にすると、最初に気泡量を増やして全体のボリュームをだし、低速にしていくことできめ細かい泡立ちにすることができる。 粉を入れ混ぜる時は、最初はダマにならないよう手早く混ぜ、生地につやがでるまで混ぜる。 最後に溶かしバターを入れる。60℃くらいに温めると気泡を壊さず、生地にまざりやすくなる。バターを入れてからは混ぜる回数が増えるにつれて気泡がどんどん潰れていくので、まぜる手数はできるだけ少なくするようにする。 焼き上がったら、型を台に打ちつけ、生地に含まれている水蒸気を抜く。こうすることで生地の中央がへこむのをふせげる。 冷ます時に冷ましすぎると乾燥してしまう。少し温かいまま番重にしまうと少し蒸らされしっとりとした生地になる。焼きあがったジェノワーズをそのまま置いておくと、乾燥してパサパサになってしまうので注意する。


• パータ・シュー

パータ・シュー【仏:pâté à choux】 シュー生地のこと。 見た目がキャベツに似ていることからフランス語でのキャベツの意味の「シュー」と名前がついた。 パータ・シューを使ったお菓子の中に、シュー・ア・ラ・クレームやパリ・ブレスト、エクレア、サントノーレなどがある。 手順 1.バター、水(牛乳などの水分)、砂糖、塩を鍋にいれ沸騰させる 2.小麦粉を加え加熱しながらしっかりと混ぜ、しっかりと糊化させる 3.ボウルに移し溶きほぐした卵を少しずつ加えていく 4.絞り袋で天板に絞りドリュールを塗り霧吹きで水を吹きかけ窯に入れ焼く ポイント バターは常温に出しておく。冷たい状態だと加熱した時バターが溶けず、水分だけが飛んでしまう。 糊化させる時は鍋肌に生地がくっついてくるくらいまでが目安。 出来上がった生地は上から落としてみてスゥーっと2、3回落ちるくらいの固さがよい。 また、作る物によって炊き上げる生地の固さは変える。 窯は途中で開けると生地がしぼんでしまうので開けないようにする。 最初は下火を強くし、膨らませてから上火をあげて焼成すると色がつく。


• パータ・ビスキュイ

パータ・ビスキュイ【仏:pâte à biscuit】 別立てのスポンジ生地。卵白に砂糖を加えてしっかりと泡立せるので、絞りだすことができる。パータ・ジェノワーズと違い、バターは入らない。 手順 1.ボウルに卵黄、砂糖を入れ、白っぽくなるまで泡立てる。(ブランシール) 2.もうひとつのボールに卵白を入れ、砂糖を数回にわけ泡立てメレンゲを作る。 3.(2)のメレンゲを(1)の卵黄に加え、ゴムベラで切るようにして混ぜる。 4.粉を入れ、粉気がなくなりつやがでるまで混ぜる。 5.オーブンで焼成する。 ポイント 卵白は冷えた状態のほうが、きめが細かくしっかりとしたメレンゲが得られる。 メレンゲはツノがしっかり立つくらいまで立てる。立てが甘いと、だれた生地になってしまう。また、立てすぎた場合もメレンゲが離水してきれいに焼き上がらない。 メレンゲを一気に加えるのではなく、少量卵黄に混ぜてなじませてから残りのメレンゲを合わせていくと、綺麗に手早く混ぜることができる。 混ぜ終わりはふんわりと絞れる状態が良い。


• パート・シュクレ

パート・シュクレ【仏:pâte sucrée】 砂糖入りの甘い生地。サクッとした食感で、タルトの土台などに使われる。 手順 1.ミキサーにバターを入れ、ダマができないように均一混ぜる。 2.砂糖を入れ混ぜる。 3.卵を入れなめらかになるまで混ぜる。 4.ふるっておいた粉を入れ粉気がなくなるまで混ぜる。 5.一晩やすませて使用する。 ポイント ・材料は室温に戻しておく ・バターのダマを無くす前に砂糖を入れてしまうとダマが残りやすいので、丁寧にまわりをゴムベラでおとしながら混ぜる。 また、砂糖を先に入れてしまうと空気を抱き込みやすくなる。 砂糖を入れてからは立てすぎないように気をつける。 ・卵は少しずつ加え、少しずつバターとつなげていく。卵の水分とバターは反発するため、一気に加えるとうまく繋がりにくくなってしまう。 卵がうまく混ざらない場合は熱を加えるか、少しの粉を入れる。 ・粉を入れてからは混ぜすぎるとグルテンがでてしまうので粉気がなくなったら撹拌をやめる。


• パータ・ブリゼ

パータ・ブリゼ【仏:pâte brisée】 甘くないタルト生地。キッシュなどにも使われる。 手順 1.ふるった粉と冷えたバターをすりあわせ(サブラージュ)白い粉が黄色っぽく、サラサラの状態にする。 2.塩、卵、冷水を加え、粉気がなくなるまで切り混ぜながらまとめていく。 3.一晩休ませる。 粉とバターはしっかり冷やしておかないとサブラージュがしづらく、バターが溶けてしまいサラサラの状態にならない。 型にフォンサージュしたあと、冷蔵庫でやすませると縮みが少なくなる。


• パータ・ケック

パータ・ケック(仏:pâte à cake ) バター生地をフランス語でパータ・ケックと呼ぶ。 これは英語のケイク(cake)をそのまま取り入れたものだが、小麦粉を主材料とした焼菓子全般の事ではなく、フランス語のケックはパウンドケーキ類、特にドライフルーツや果物の砂糖漬けを入れたフルーツケーキの事を指す。 果物が入らないプレーンなパウンドケーキは、フランス語でカトルカール(仏:quatre-quarts)というが、これは4分の1が4つという意味で、4種類の主材料(小麦粉・卵・砂糖・バター)を同量ずつ使うことから名付けられている。 バター生地はバターのクリーミング性(撹拌する事で空気をたくさん取り込む性質)を利用して生地を作る。この性質により、きめ細かくしっとりとした生地に仕上がる。また、パータ・ジェノワーズなどよりはるかにバターの脂肪分の配合が多いため、コクと風味のある深い味わいの菓子が出来上がる。 パータ・ケックの製法 パータ・ケックの作り方は大きく分けて、シュガーバッター法とフラワーバッター法があり、シュガーバッター法の卵の加え方には、共立て法(全卵を加える方法)と別立て法(卵黄と泡立てた卵白・メレンゲを別々に加える方法)の2種類がある。 どちらの方法もバター(油脂)のクリーミング性を利用して、生地に取り込んだ空気と卵の水分が焼成によって膨張するのだが、粉の量に対してバターと卵の割合が少ないと上手く膨らまないため、その場合は膨張剤の助けを借りる必要がある。 また、大量生産に向くオールインワン法という方法もあるが、これはバターのクリーミング性を利用しない為、膨張剤を使う必要がある。 注意点 バターは室温におき、指で押すと跡がつくくらい柔らかくしておくこと。 他の材料を加えてバターが締まっていく事を考慮すると、16〜21℃くらいの柔らかいものが望ましい。 バターに砂糖を一度に加えると、バターに含まれる水分が吸収されて固く締まり、撹拌しにくくなる。 クリーミング性や砂糖の分散も悪くなるため、砂糖は少しずつ加え、よく撹拌すること。 また、卵が冷たいとバターが硬くなり、クリーミング性が悪くなる。 使用する材料は常温にし、共立て法の場合は、全卵を溶きほぐしておくと卵黄の乳化作用で生地になじみやすくなる。 卵黄のみを加える別立て法の場合は、卵黄に乳化力があるので一気に入れてしまっても良い。 粉を入れたら粉気がなくなるまで混ぜ合わせるが、混ぜすぎても目が詰まって焼き上がりが固くなるので注意する。


• フイユタージュ・オルディネール

フイユタージュ・オルディネール【仏:feuilletage ordinaire】 オルディネールはフランス語で「普通の」という意味。 最もベーシックなフイユタージュの製法である。 手順 バターの折り込み作業は、バターが溶けてしまうと均一な層ができず、焼成した際に層が歪な生地に仕上がってしまう。 特に折り込みを手作業で行う場合は材料をしっかりと冷やし、冷たい状態で扱って手早くおこなうようにする。 ブラージュ【仏:beurrage】の手順 1. 冷蔵庫でしっかり冷やした固いバターに打ち粉をし、麺棒で叩いて硬さを調整する。一辺20cmほどの正方形に形を整える。 2. 十字の切り込みを入れたデトランプを打ち粉した作業台上で広げる。 切り込みの四隅を押し広げ、バターより少し大きい正方形にのばす。 3. 45度角をずらしてでトランプの上にバターを置き、向かい合う生地の角をそれぞれあわせ、四隅を中央に集める。 バター全体を包みこむように、生地のつまんでとじていく。 このとき、つまんだ部分の生地がぶ厚くならないように気をつける。 4. すきまなく密閉してつなぎめを閉じたら全体を綿棒で軽く叩いてバターとデトランプをなじませる。 5. 伸ばし始めの状態から幅の三倍になるまで生地を伸ばす。三つ折りにし、全体を軽く叩いてなじませる。 6. 生地を90度回転させ、さきほどと同じように三つ折りの作業をおこなう。 この作業をもう一度繰り返す。 7. 一度冷蔵庫で1時間以上休ませる。休ませたあとにもう一度三つ折りを二回行う。(計6回)生地を休ませる際は、生地の端に折った回数がわからなくなるように指で押して印を入れるようにする。


• パート・サブレ

パート・サブレ【仏:pâte sablée】 サクサクとした食感が特徴の生地。 手順 1.ボールにバターを入れる。 2.砂糖を入れすり混ぜる。 3.白っぽくなったら、卵を入れて混ぜる。 4.ふるった粉を一度に入れ、さっくり混ぜる。 5.ひとまとめにして、ビニールに包んで一晩冷蔵庫で休ませる。 ポイント 材料は常温に戻しておく。 卵を入れるときは分離させないよう、何回かに分けて入れ混ぜる。 一気に卵を加えると卵の水分とバターが反発してうまく繋がりにくくなる。 粉を入れた後は、練りすぎないよう気をつける。 水分が少ない配合で生地のつながりが弱いため、めん棒でのばす際は生地が割れないように気をつける。


• フイユタージュ・アンヴェルセ

フイユタージュ・アンヴェルセ【仏:feuilletage inverse・enversé(アンヴェルセ)】 アンヴェルセ法で作ったフイユタージュのこと。 アンヴェルセは、フランス語で「逆にした」という意味。 通常の折り込み生地とは逆で、バターでデトランプを包み折り込んでいくことから「アンヴェルセ」と呼ばれている。 通常の生地に比べてバター層が多く、小麦粉からのグルテンも弱くなるので、浮きが高くサクサクした食感の生地になる。 アンヴァルセ法の手順 フイユタージュ・アンヴェルセの製法をアンヴェルセ法という。 バターに全体の30%ほどの小麦粉を練りこみ、バターの伸びを良くする。 縦長に伸ばしたバターの上にデトランプをのせ、3つ折りする。 そのあとは、標準の折り込み生地と同様に折り込み作業を行う。 バターが伸びやすいのはバターの温度が13~18℃のとき。 温度が低くなると、固すぎてうまく伸びず、高くなると柔らかすぎて小麦粉に混ざってしまう。 作業中バターが溶けないように作業場の温度は20℃以下に設定し、バター、小麦粉、水、麺棒は冷凍庫で十分に冷やしておくとよい。 作業中に生地が柔らかくなりすぎてきたら、冷蔵庫で生地を冷やすようにする。


• フイユタージュ

フイユタージュ【仏:feuilletage】 フイユタージュとは、グルテンを形成したデトランプでバターをたたみながら折り込んで層を作った折り込みパイ生地のことである。 フイユとは紙片や木の葉を意味し、バターとデトランプでできた何重もの層でできている生地の見た目や状態が表されている。 デトランプとは 小麦粉に水と塩を加えて混ぜ合わせ、ひとまとめた、フイユタージュを作るにあったってバターを折り込むベースとなる生地である。 手順 1. 合わせてふるった薄力粉と強力粉をボウルに入れ、バターをちぎって入れる。 このバターは、でトランプの粘りや弾力(グルテン)を弱め、仕上がりの口どけをよくする役割がある。 2. バターと粉がなじんだら、塩をとかした冷水を生地の表面全体に振り入れてさっくりと混ぜ合わせる。 3. ぼろぼろの状態になったら作業台に取り出す。この時点で水分が全体になじんでいれば、まとまっていなくても問題はない。固さは耳たぶより少し固いくらいの状態に調整する。 4. この生地を練ってひとつのかたまりにまとめ、表面に十字の切り込みを入れてビニールに入れ、冷所で1時間ほど休ませる。 十字を入れることで、折り込み作業を行う際に角を外側に押し広げることで四角い状態で伸ばしはじめ、手早く作業を進めることができる。 低い温度で冷やしすぎると逆にグルテンが弱まらないため注意する。 フイユタージュの代表的な製法 フイユタージュ・アンヴェルセ フイユタージュ・オルディネール フイユタージュ・ア・ラ・ミニュット


• フイユタージュ・ア・ラ・ミニュット

フイユタージュ・ア・ラ・ミニュット【仏:feuilletage à la minute】 フイユタージュ・ラピッド【仏:feuilletage inverse・enversé】 ラピッド法によって作られたフイユタージュのこと。 フランス語でミニュットは「ごく短い時間」、ラピッドは「速い」を意味する。 通常の折り込み生地と違い、デトランプを作った後にバターを包んで折り込む作業がない上に、生地を寝かせる時間も短いので、短時間で作ることができる。 ただし、パイの層が多くできないので、通常の折り込み生地ほど浮き上がらない。 ラピッド法の手順 ラピッド法は、1cm~3cm角にカットしたバターを小麦粉に混ぜて、水、塩、酢を加え、生地をひとまとめにする。 寝かした生地を麺棒で伸ばし、3つ折りまたは4つ折りと通常の折り込み生地と同様に折り込みを行う。 生地を寝かせる時間は20分から30分ほどで充分である。 作業中バターが溶けないように作業場の温度は20℃以下に設定し、バター、小麦粉、水、麺棒は冷凍庫で十分に冷やしておくとよい。 作業中に生地が柔らかくなりすぎてきたら、冷蔵庫で生地を冷やすようにする。