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パティシエWikiロゴ パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

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機械

• ミキサー

ミキサーは液体と食材を撹拌する道具で、電動で動く機器の一つである。 容器の中に刃のついた羽根が高速で回転することで、材料が混ぜ合わさる。 製菓におけるミキサーとは、メランジュールや業務用ミキサーのことを指す。 製菓におけるミキサーのボウルの容量は、製菓用卓上ミキサー(メランジュール)の場合4〜5リットル程度、業務用ミキサーの場合は20クォート〜40クォートが一般的。 (※1クォート=約1リットル) 日本ではフードプロセッサーやブレンダー、ハンドミキサーの総称がミキサーと呼ばれ、海外ではブレンダーと呼ぶことが多い。イギリスではミキサーといえば泡立て器のことになる。 近年のミキサーには攪拌するだけでなく、加熱できる機能を備えているものもあり、スープなど温かいものを作れるものもある。 同じ目的のものにハンドミキサーやハンドブレンダーがあるが、こちらはスティック型になっていて、容器が付いておらず、直接鍋やボウルなどに押し付けて撹拌することができる。 ハンドブレンダーは、洋菓子製造の際にもソースやグラサージュのツヤ出しを目的として使用されることがある。 メランジュール[仏:Mélangeur]/(製菓用卓上ミキサー) メランジュールとは、卓上ミキサーのことを言う。電気の力で、生地やクリームを混ぜたり、こねたり、泡立てたりと様々な用途で使用することができる。アタッチメントである羽根を付け替えて、用途に合わせて幅広く使うことができる。このミキサーがあると、手で混ぜる行程をすべて簡略化することができるため、作業時間の短縮にも繋がる。また、メランジュールは高速に混ぜられるという点が特徴で、誰が作っても比較的仕上がりが均一でや品質のよいものが作りやすい。メランジュールでないとうまく作れない製品もあり、特にイタリアンメレンゲなどは高速に混ぜないと熱でメレンゲが固まってしまうため、メランジュールで作る必要がある。 →イタリアンメレンゲ(ムラング・イタリエンヌ) 使用上の注意点 羽根が高速に回転しているので、材料を加えるときに飛び散りに気を付ける必要がある。混ぜる材料の状態や作る製品によって、速度は調整しながら使用する。 材料を加えるときには速度を落としたり、いったん電源を切ったりしながら入れると飛び散りを抑えられる。生地など、ある程度の硬さや粘度のあるものを混ぜる際はボウルの内側の壁に生地がつくため、仕上がりの状態にムラが出ないように、へらなどで綺麗に周りを落としながら作業を行う必要がある。 メランジュールを使うときには、扱う材料の最小単位と最大単位に注意する必要がある。材料が少なすぎると空回りしてうまく回らないことがあり、材料が多すぎても飛び散ったりうまく混ざらないことがある。 アタッチメント(羽根)の種類 フエ【仏:fouet】、ホイッパー 泡立て器やピーターと呼ばれるもので、複数のワイヤーを束にして丸くまとめた形をしており、ボウルの内側に当てながら空気を含ませながら混ぜる場合に適した形状となっている。生地やクリームを泡立てる時に使う。 ワイヤーの数が多いものの方が泡立てるのに適しており、ワイヤーの数が少ないものの方が固いものを混ぜるのに適している。 フィユ【仏:fouille】、パレット 主にパイ生地などすり混ぜるための羽根をいう。空気を含ませないで混ぜるものに適している。 クロシェ【仏:crochet】、フック 主にパンの生地などの粘りや硬さのある生地を混ぜる時に使う羽根をいう。構造上生地を混ぜる先端がモーターの近くになく、生地の温度がモーター熱で上がるのを防げるため、温度変化に影響する生地などを捏ねる時に適している。また、空気を含ませずに混ぜることができるという特徴があるため、マドレーヌやプリンなど泡立てず混ぜ合わせたい生地にも適している。


• チョコレートウォーマー

チョコレートウォーマー(チョコメルター) チョコレートウォーマーは別名チョコメルターとも呼ばれ、最適な温度管理を行いながらチョコレートの溶解・保存ができる。 チョコレートは高温で加熱すると分離してしまう。また、適切な温度で扱わなかった場合、表面に白っぽい粉やまだら模様が浮き出てくるブルームという現象を起こす。 そのため、チョコレートの溶解・保存には原料の種類や質、室温などに合わせたきめ細やかな温度管理が必要である。 チョコレートウォーマーの種類 温水式 温水式のチョコレートウォーマーは家庭での鍋の湯煎と同様に、お湯の熱でチョコレートを加熱する。そのため、チョコレートが焦げる心配がない。 また、チョコレートの溶解・保存の際に器具に水分が残っていたり、湯煎の水が入ってしまうと、チョコレートの中のカカオバターの油脂と反発し、チョコレートがぼろぼろになってしまうため、注意する。 乾式 乾式のチョコレートウォーマーは電気の熱で加熱するため、溶解・保存に水を使用しない。そのため、蒸気やお湯が混入する心配がない。 使い方 チョコレートウォーマー本体の温度設定をチョコレート溶解温度に合わせ、チョコレートをステンレスボールに入れる。 溶解後はステンレスボールを本体から取り外し、攪拌しながら冷却し、テンパリングする。そして、温度調節をチョコレート保存温度に合わせ、ステンレスボールを本体に戻す。こうすることによって、テンパリング状態を崩すことなく、保温が可能になる。 温水式の場合は、最初にチョコレートウォーマー本体のステンレスボールを取り外し、水を補給しておく必要がある。 また、溶解・保存温度は製品やメーカーごとに違うため、製品パッケージに記載の温度を確認のうえ使用する。 使うシーン ボンボン・ショコラやトリュフチョコレート、オランジェットをはじめとするチョコレート菓子はもちろん、ザッハトルテやフォンダン・オ・ショコラなどのケーキ、コロネのチョコレートクリームを作る際など、チョコレートの溶解・保存が必要なものに利用する。 チョコレート菓子は温度管理に非常に敏感なため、チョコレートウォーマーを利用してきちんと温度管理を行うことで、均一な質で製品を仕上げることができる。 注意点 使用の際は高温多湿の部屋は避ける。 乾式のチョコレートウォーマーには、本体内部に水が入らないようにする。 手入れの際は、水で薄めた台所中性洗剤を含ませた布硬く絞って使う。 また、水温式・乾式ともに加熱中は非常に高温になるため、高温部分に触れないように注意する。


• ソルベティエール

ソルベティエール【仏:sorbetière】 別名アイスクリームフリーザー。入れた素材を回転・撹拌させて、空気を含ませながら冷やし、アイスクリームやシャーベット・ソルベを作る機械をいう。 シャーベットは、旧約聖書によるとにイタリアからフランスに伝わり、後にフランス料理のパティシエによって、デザートにシャーベットが取り入れられるようになる。 ソルベティエールはアメリカ人の主婦ナンシー・ジョンソン(Nancy Johnson)が、1846年にアイスクリーム・フリーザーを開発したのがきっかけでその後機械化されソルベティエールが作られるようになる。 使い方 ソルベティエールは中に回転する羽があり、ヘラのように気泡を含ませながら材料を混ぜ、同時に冷却凍結をする。業務用のものだけでなく家庭向けのものもあり、家庭用のものは卓上のものなど小型のものが普及している。 使用時の注意点 ソルベティエールのスイッチは撹拌、冷却の順に入れるようにする。冷却スイッチのみを入れた場合、食材が壁面に凍って付着してしまい、故障の原因になる。 アイスクリームを作る場合、口どけのよいものを作るには、工程最後の段階で数分間撹拌のみ行うとよい。こうすることでボールからも身離れがよくなり、扱いやすくなる。


• レファイナー

レファイナー(またはリファイナー) カカオを磨砕し、チョコレート生地をより微細化(細かく)するための機械。この工程によりチョコレートの舌触りがよりなめらかになる。またこの微細化する工程は「リファイニング」と呼ばれる。複数のローラー回転によりカカオ豆がすり潰される構造のものが多い。 後工程であるコンチングの時間を短縮させ、砂糖・カカオ等の固体粒子の均一化をすることで舌触りの良さ、粘度を低くすることができる。


• コンチェ

コンチェ(英:Conche) コンチェとは、チョコレート製造の際に用いるココアバターの撹拌機の名称である。均等に行き渡らせる作業をコンチングと呼び、チョコレートの粒子を滑らかにしたり、チョコレート独特の風味を出す。