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パティシエWikiロゴ パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

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その他加工品

• コーヒー関連製品

インスタントコーヒー【仏:café soluble(カフェ・ソリューブル)】 インスタントコーヒーはコーヒーを抽出して乾燥させた粉末で、ドリップせずにお湯や水にとかすだけで飲用のコーヒーを作ることができる。 似た物に粉末コーヒーがある。 見た目は似ているが、粉末コーヒーはレギュラーコーヒーと呼ばれる物の一種で、器具で濾して抽出する必要がある。 インスタントコーヒーと比べると風味が良いが、手間がかかる。 お菓子作りでは、水で溶かしてスポンジ生地やバタークリームに加えるできる。 濃縮コーヒー 濃縮コーヒーとは、コーヒーを濃く抽出し、カラメルと合わせたもの。 少量でコーヒーの風味と色をつけることができる。 インスタントコーヒーを溶かして代用することもできるが、濃縮コーヒーの方が香りが良く、また色合いに赤みがある。 オペラやティラミスのスポンジにするアンビバージュに使用すると効果的。 スポンジやパウンドケーキや焼き菓子にに入れて高温で焼いても風味が劣化することがない。 コーヒービーンズチョコレート コーヒー豆の形をしたチョコレート。 コーヒー風味のチョコレートで作られたものだけでなく、焙煎したコーヒー豆をチョコレートでコーティングした物もある。 コーヒーを使ったケーキやデザートの飾りに使われる。


• イースト

イーストとは、パンを発酵して膨らませるための微生物をいう。発酵食品は様々あるが、パン専用の菌であるイーストは、パン酵母ともいわれている。イーストはほかの天然酵母よりも発酵する力が安定している。イーストは生イースト・ドライイースト・インスタントイーストがあるが、パンの種類によってうまく使い分ける必要がある。 生イースト 生イーストは菌を培養してその後水洗いし、水切りしたものを固形に固めて販売しているイーストである。粘土のような明るい黄土色をしている。 生イーストの特徴は、パン生地の糖質を分解する力に優れているため、発酵が早いところである。特に、砂糖が多くても発酵に耐えうるため、砂糖を多く使う菓子パンなどに適している。 また、低温にも耐えうるため、冷蔵庫や冷凍保存をする生地や発酵時間が短いソフト系のパンに適している。生イーストで作ったパンは柔らかい食感なのに噛み応えのある仕上りになるため、外はしっかり中はふんわりといった、甘い香りの引き立った特徴のパンに焼き上がる。イースト臭が残らないところもいいところである。 逆に、バケットなど糖分が少なく長時間発酵を必要とするパンには向かない。発酵が早いということはその分多くの糖質を必要とするため、生地の糖質を分解しすぎてしまい、風味や甘みを損なうかすかすのバケットになってしまう。 向いている製品 あんパン、菓子パン、ブリオッシュ、バターロールなど 保存方法 生イーストは乾燥に弱いため、店頭ではワックスペーパーに包まれて販売されている。使用後は乾燥を防ぐため、ワックスペーパーやラップ、キッチンペーパーに二重に包み、ビニール袋やタッパ―などで密封して冷蔵庫で保存する。キッチンペーパーが湿ってきたらこまめに取り換えるようにすると日持ちしやすい。だが、生イーストは未開封のものでも2週間ほどしか持たないため、開封後は2~3日で使い切るようにする。長く時間が経ったものは発酵力が弱まるため、パンが膨らまない原因にもなる。冷凍保存はできない。 ドライイースト ドライイーストは菌を低温で長時間かけて乾燥させ、水分を取り除いたものを細かい粒状にして販売しているイーストである。色は黄土色である。 ドライイーストの特徴は、パン生地の糖質を分解する力が弱いため、発酵に時間がかかるところである。乾燥しているため長時間保存がきくドライイーストだが、酵母が仮眠状態にあるため、事前にぬるま湯に入れて予備発酵をしなくてはならない。ドライイーストは、糖分に弱い性質を持つため、砂糖を多く含まないパン作りに適している。発酵に時間がかかるため、甘みの少ない食卓パンや濃い焼き色をつけたいパンに向いてる。また、イーストの独特な香りが残るため、酸味のあとに旨味や甘みが広がる独特な風味が味わえる。ドライイーストを使ったパンは弾力がありしっとりとした味わいが楽しめる。 向いている製品 フランスパンなどのハード系のパン、カンパーニュ、フォカッチャなど 保存方法 ドライイーストは保存に長けていて、開封しなければ2年、開封後も1か月日持ちする。直射日光を避け、風通しのいい冷暗所に保存する。開封後は密封容器に移し、冷蔵庫で保存するとよい。だが、時間が経つと発酵力が低下するため、早めに使い切るようにする。冷凍保存はできない。 インスタントイースト インスタントイーストはもっとも手軽に使えるイーストで、家庭でよく使われている。生イーストの賞味期限の短さと、ドライイーストの予備発酵の手間をなくした二つの利点をとったイーストである。保存期間も2年と長く、予備発酵をせず、小麦粉に混ぜ込んで使うことができる。どんなパンでも作りやすい万能なイースト。インスタントイーストを使えば、皮が柔らかく、もっちりしっとりした食感の万人受けするパンを手軽に焼き上げることができる。 保存方法 保存方法は、湿気を吸うとパンのふくらみに影響するので空気に触れないよう密封冷蔵庫で保存する。状態がよければ半年ぐらい持つ。冷凍保存をすることもできるが、やや発酵力が落ちるため、使うときはぬるま湯で戻してから使うようにする。


• ナパージュ

ナパージュ【仏:nappage】 上掛け・ツヤ出しに使用するジャム状または液状のゼリー。 水・砂糖に加え、 ペクチン が多く含まれている。 ナパージュは、いったん攪拌してもまたもとのようにどろっと固まる性質を持ったペクチンを利用した製品である。 様々な色の物があるが、どれも透明感がある。 お菓子の表面に塗りツヤを出すことで、お菓子が新鮮でおいしそうに見える。 他にも製品の表面を保護したり、乾燥を防ぐために使われている。 バナナやりんごなどの空気に触れることで変色しやすいフルーツの劣化を防ぐ働きもある。 また冷えて固まることで細かいフルーツの飾りなどの、形状を保ち、形が崩れるのを防ぐ効果もある。 色々な製品が開発されており、チョコレートやキャラメル、いちごやオレンジの味が付いた物もあり、これらは製品に塗るだけで風味づけができる。 性質・扱い 液体及びジャム状の物は加熱が必要なタイプと、加熱せずに使えるタイプに分かれる。 さらに、水や果汁を加えて使うタイプと、そのまま使うタイプがある。 加熱して使うタイプの場合、熱に弱いお菓子には使いづらいが、加熱することでしっかりと固まるという特徴がある。煮溶かした後は流動性があるうちに早めに使用することで美しく塗れる。冷えるとまた元のように固まってしまう。 フルーツや生ケーキに使用する場合、粗熱をとってとろみのある状態で塗ると良い。 加熱せずに使えるタイプは温める手間がなく、熱に弱いフルーツやムースなどに使える。 プロの現場ではあまり使われないが粉末状の物もある。 これは液体に加え、煮溶かして使用する。沸騰させてもよい。 粉末の状態だと賞味期限が長いので、少量しか使わない場合は経済的。 未開封であれば常温保存できる。 ナパージュの種類 ナパージュ・ルージュ【仏:nappage rouge】 グロゼイユ(赤すぐり)等の赤い果物、 砂糖 、ペクチンなどから作られる、赤いナパージュ。常温でゲル化している。少量の水をいれて煮溶かして使う。 色が薄ければ、グロゼイユまたは フランボワーズ の生か冷凍のピューレを加えて調整することもできる。色粉を入れてもよい。 フランスの伝統菓子ポンヌフに使われる。また、いちごに塗るといちごの赤色がより強調されてよい。 ピストレ出来る物もある。 ナパージュ・ブロン【仏:nappage blond】 アプリコットと砂糖を煮詰めて作られたジャム状のもので、ペクチンの濃度が高い。色はオレンジ色で、常温でゲル化している。 バターケーキやタルト、パイの仕上げに使われる。 10%の水を加えて火にかけて煮溶かしてから、ハケを使って薄めに塗る。 艶やかな焼き色を引き立たせると同時に、お菓子の乾燥を防ぐことができる。 アプリコットジャムで代用することもできる。 ジャムは風味、色はナパージュより優れているが、透明感と凝固量はナパージュ・ブロンの方が上である。 アプリコットジャムを塗ることをアプリコテ【仏:abricoter】と言う。 ナパージュ・ヌートル【仏:nappage neutre】 果物は含まれておらず、水にペクチン、砂糖、水飴を加えて作られたもの。無色透明。ピューレを加えて色を付けることもできる。 加熱加水して使う物は常温でゲル化している。水を加え加熱して使用する。 そのまま使用することが出来る物もある。こちらは常温でどろっとした液体。ナパージュミロワールと呼ばれることもある。ミロワールとは鏡の意味。攪拌してから塗る。熱で劣化してしまう生のフルーツや、熱で溶けてしまうムースに用いることができる。冷蔵庫で冷やすことによりゲル化して、製品を透明なゼリーが覆ったような見た目になる。プロの現場で最もよく使用されるナパージュである。ピストレ出来る物もある。


• ゼラチン

ゼラチン(仏:Gélatine ) 冷菓などを固める凝固剤の一種。 ゼリーやババロア、ムース、マシュマロなど様々なお菓子作りに使われている。ゼラチンを使用した製品はふんわりと柔らかく、粘りと弾力がある。 溶解温度が20〜30℃と低く、口にいれるとすぐ溶け出す。この口どけの良さと食感から人気があり、最も使用される凝固剤である。 牛や豚の骨または皮のコラーゲン(不溶性のタンパク質)を熱水で抽出、精製し、乾燥させて作られる。近年は豚由来の物が主流になってきている。 板状と粉末状のものがある。100グラムあたり338キロカロリー程度。 凝固する仕組み ゼラチンの基本構造は、多数のアミノ酸が細長い鎖状に並んだ物。これは、熱水の中にあると分子の活動が活発なので、液体の中を自由に動いている。 温度が下がると徐々に動きが悪くなり、アミノ酸同士で引き合うようになる。鎖状のアミノ酸が繋がると、細かい網目状の構造を形成し、その隙間に大量の水分を抱え込める様になる。 これにより、独特の弾力のある固まり方をする。この網目構造によりゲル化する仕組みはアミノ酸由来のものや単糖類のものがあるが、ゼラチンだけでなく寒天やカラギーナン、ペクチンにも共通している。 扱い 板ゼラチンは戻すための水の温度が高いと水に溶け出してしまうので、多めの水に氷を入れ水温を10℃以下に保つ。 また板ゼラチンは濡れると張り付いてしまい、均一に戻らなくなるので、水に入れる時は一度に入れず、一枚一枚順番に入れる。柔らかくなったら水気を切って使う。 粉ゼラチンの場合も冷たい水でふやかす。水の量はゼラチンの種類や作りたい製品により異なるが、およそ4〜5倍。均一に戻すため、水をはった容器に粉ゼラチンをふり入れるようにする。 ゼラチンに水を吸水させて柔らかくしてから他の材料に加え、50〜60℃で加熱して溶かす。これを冷蔵庫などで15〜20°Cまで冷やすと固まる。 性質 製造過程において、加熱しすぎるとゲル化力が弱まる。 やや酸に弱く、PH3.5以上ないと固まらない。たんぱく質分解酵素を含む果物の果汁はゲル化できない。 (パパイヤ・キウィ・パイナップル・メロン・イチジクなど) これらの生の果肉をゼリーに混ぜ込むと、その果肉の周囲から凝固が解けていく。酵素は熱に弱いため、これらのフルーツを固めたい場合は缶詰になっている物を使うか、一度加熱してからゼラチンと合わすとよい。加熱することでフルーツの味や風味が損なわれることが多いので、ゼラチン以外の凝固剤が使われることが多い。 固めた冷菓は25〜30℃で溶け出す。夏季の室温や人の体温で溶けてしまうので、注意が必要。一度溶けた製品を再び冷やして、ゲル化させることもできるが、強度が弱くなる。 ゼリーは基本的に冷凍できない。ババロアはレシピ次第で、冷凍すると品質が落ちる物も多い。ムースは冷凍できる。急速冷凍にかけて冷凍し、溶かすときは冷蔵庫でゆっくり解凍する。 砂糖にはゼラチンの凝固を助ける働きがある。砂糖は水に溶けて分散し、上記の網目構造の中で水を吸着して保持し、離水を防ぐ効果がある。なので、甘さ控えめにしたいからといって、安易に砂糖の配合を減らすと固まりが緩くなる場合がある。 完成した製品が溶けない温度を保てば、ほとんど離水しない強い凝固力がある。 ゼラチンの種類 板ゼラチン 透明な薄い板状のゼラチン。プロの現場ではこちらが一般的に使われている。 板ゼラチンは一枚あたりの重さが一定なので計量する手間がない。(ただしメーカーや種類による違いはある。) 粉ゼラチンに比べると短時間で戻せる。 戻すのに使った冷水にはゼラチンの匂いが溶け出すので、独特の匂いが和らぐ効果がある。板ゼラチンの難点はゼラチンの戻し具合や水分の絞り具合によって、含まれる水分量が変わってくる所。この水分量は完成品の硬さに影響してくる。水分量を一定にするためにはその板ゼラチンを戻したときの重量を計って基準となる値を決めておき、水分を足したり、よく絞ったりすればよい。 粉ゼラチン 白色か薄い黄土色の粉末状。スーパーなどでも簡単に手に入る。粉ゼラチンはあらかじめ戻す水分の量を計算して合わせているため、水分量の調整はいらない。 砂糖の補助効果 砂糖は水に解けて分散し、上記の網目構造の中で水を吸着して保持し、離水を防ぐ効果がある。なので、甘さ控えめにしたいからといって、安易に砂糖の配合を減らすと固まりが緩くなる場合がある。 使用における注意点 製造過程において、加熱しすぎるとゲル化。だか、この酵素は熱に弱く、加熱することによって活動を失う。なので、これらのフルーツを固めたい場合は缶詰になっている物を使うか、一度加熱してからゼラチンと合わすとよい。ただし、加熱することでフルーツの味や風味が損なわれることが多いので、ゼラチン以外の凝固剤の使用をお勧めする。 固めた冷菓は25〜30℃で溶け出す。夏季の室温や人の体温で溶けてしまうので注意がいる。一度溶けた製品を再び冷やして、ゲル化することもできるが、強度が弱る。 ゼリーは基本的に冷凍できない。ババロアはレシピ次第で、冷凍すると品質が落ちる物も多い。ムースは冷凍できる。急速冷凍にかけて冷凍し、溶かすときは冷蔵庫でゆっくり解凍する。


• アガー

冷菓を固める凝固剤の一種。紅藻類のツノマタ、スギノリ由来の多糖類(食物繊維)であるカラギーナンと、マメ科の種子の抽出物のローカストビーンガムなどを合わせた物。見た目は白い粉末。主にゼリーに使用される。常温で固まり始め、しっかりと固まると寒天とゼラチンの間くらいのフルフルした独特の食感になる。海外では以前から広く利用されており、近年では日本でも使われる様になってきている。 精製されたカラギーナンには三つのタイプがあり、それぞれ性質が異なることから、それらの組み合わせと他の増粘剤(ガム類)との組み合わせで性質の異なったアガーが作られている。 弾力、口当たり、冷凍耐性があるものなどいろいろな種類があるので、作りたい物に合わせて選ぶとよい。 ゼラチンや寒天と比べて透明度が高く、光沢があるため、材料の色をそのまま製品に活かすことができる。 また、ゼラチンの様に独特な香りはなく無味無臭なので、他の材料の風味に影響しない。 アガーのカロリーは100gで340キロカロリー程。アガーの中でカラギーナンはカロリーはなく、他の添加物でカロリーが発生している。 扱い アガー単独だとダマになりやすいので、砂糖と粉体混合し、よく混ぜて液体に加えて70〜80℃以上で煮溶かす。 砂糖を使用しない製品の場合は、ダマにならないよう液体を攪拌しながら少しずつにアガーを加え、均一に混ぜ合わせてから加熱する。 沸騰させてしまうと固まりが悪くなるので注意する。また、常温で固まってしまうため、手早く作業する。 固まりきるまで静かに置いておかないと、しっかりと固まらない原因になる。 性質 タンパク質(特にミルクカゼイン)、ミネラル(カルシウムなど)があるときは急激に強くゲル化する。 酸にやや弱く、PH3.5以上ないとゲル化しない。 30〜70°Cで固まるが、一度固まると常温では溶けないので、持ち帰り用の製品にも安心して使える。 凝固温度より5〜10°C高い温度になると溶け出す。また、いったん溶けた物をもう一度冷やすと完全に分離する。 離水しやすい性質がある。アガーは一度固まった状態から形状が崩れることで離水が起こる。バットに流したゼリーをカットした場合も離水が始まる。 また、口に入れた時に形状が崩れて離水が始まるので、その特性を活かして果汁の多いフルーツをかじった時のような他の瑞々しさを演出することもできる。 ゼラチンとアガーで同量の液体を固めた場合、アガーの方が固く仕上がる傾向がある。ゼラチンの代用として使う場合は少量で試作し、適量を確認してから作るとよい。 カラギーナン(ゲル化剤) カラギーナン【仏:Carraghénane】は、紅藻類のツノマタ、スギノリ由来の多糖類(食物繊維)である。 カッパ型、イオタ型、ラムダ型の三種の性質の異なる成分がある。この組み合わせや、比率を調整してさまざまな特徴を持つアガーが作られている。 カッパ型 最も硬く固まる性質があり、多用されている。 しかし、カッパ型のみでは固まり方が不安定になるので、ローカスビーンガムやグルコマンナンなどのガム類と併用することで、弾力ある食感を作り出している。 たんぱく質(カゼイン)によって液体が固まるという性質は、このタイプに由来する。 イオタ型 粘りや弾力があり、ジャムの様に柔らかく固まる。 単体で使われることはなく、少量を用いて離水を防いだりするのに使われる。 ラムダ型 水に溶かすと粘りが出る程度で、ゼリーを固める凝固剤には使えない。 主にアイスクリームなどの増粘剤として利用されている。 凝固する仕組み カラギーナンの基本構造は、多数のガラクトースという単糖類とその誘導体が細長い鎖状に並んだ物。 熱水の中にあると分子の活動が活発なので、液体の中を自由に動いている。温度が下がると徐々に動きが悪くなり、ガラクトース同士で引き合うようになる。 鎖状のガラクトースが繋がると、細かい網目状の構造を形成し、その隙間に大量の水分を抱え込める様になる。ローカストビーンガムを併用することで弾力が出る。


• 寒天(凝固剤)

寒天(仏:agar-agar) 冷菓を固める凝固剤の一種。杏仁豆腐や水羊羹などの和菓子作りで使われている。 寒天を使用した製品は弾力や粘りがなく、独特のもろい口当たりと喉越しの良さが特徴的。 テングサ、オゴノリなどの紅藻類から抽出した多糖類(食物繊維)が主成分。 白色で形状は粉末、棒状、糸状の三種類ある。凝固力が強く、わずかな量で多くの液体を固めることができる。 消化されないためカロリーはなく、食物繊維が豊富なのでダイエット食としても知られている。 扱い 寒天には粉末寒天、角寒天、糸寒天の三種の形状がある。 粉末寒天 ふやかす手間がなく、スーパーなどで簡単に手に入る。 粉末寒天は常温の水に加えてから火にかける。寒天が沈殿するので混ぜながら溶かしていく。煮立ったら静かに煮立つ程度の火加減にして、2分ほど煮る。 角寒天 伝統的な製法で作られていて、風味が豊か。 粉末寒天、糸寒天と比べると柔らかめの仕上がりになる。 よく洗ってから水につけてふやかし、水気をしぼってから使う。戻す水をお湯に変えると早く戻る。
煮溶かす場合は水から加えるか、水を沸騰させたところにちぎって加える。 混ぜながら加熱し、固まりが消えて透明感が出るまで煮る。 どの形状の寒天も、溶解温度は90〜100°Cなので、液体を沸騰させて煮溶かすこと。 糸寒天 粉末寒天、角寒天と比べると、透明感があり、繊細な口あたり。 ふやかしてそのままサラダやスープに使われることもある。 ふやかして煮溶かすまでの方法は角寒天と同様である。 性質 酸に弱く、PH4.5以上ないと固まらない。これは、ゼラチンのように酸で凝固力が低下するのではなく、加水分解が起こるため。 寒天に酸味の強い果汁を混ぜ込みたい場合は、まずは寒天を十分に煮溶かしておいて、粗熱を取った上で手早く果汁を混ぜ込む様にするか、寒天の量を少し増やす。 固めたい物と合わせたら粗熱を取り型に流し込む。30〜40°Cの常温で固まるので、粗熱を取ってからは手早く作業する。 他の凝固剤に比べて離水しやすいので、砂糖を多く加えて保水力を高めるとよい。 固まったものを再度溶かし固めても同じように固まるという性質がある。冷凍はできない。 製品にしてからの寒天の溶解温度は70°C程で、常温でも安定した状態を保つことができる。 凝固する仕組み 寒天の基本構造は、多数のガラクトースという単糖類とその誘導体が細長い鎖状に並んだ物。熱水の中にあると分子の活動が活発なので、液体の中を自由に動いている。 温度が下がると徐々に動きが悪くなり、ガラクトース同士で引き合うようになる。鎖状のガラクトースが繋がると細かい網目状の構造を形成し、その隙間に大量の水分を抱え込める様になる。


• コーヒー

コーヒー【和:珈琲、仏:café、英:coffee】 コーヒーはアカネ科の常緑樹の種子を焙煎して挽き、抽出した飲み物を指す。 豊かな香りと苦味がある。 引用とする場合、ホット、アイスどちらでも楽しめ、牛乳や各種シロップを追加してアレンジもできる。 カフェインが多く含まれる飲み物として知られているが、最近ではカフェインレスの物も流通している。 豆の産地と品種 コーヒーの産地はコーヒーベルトと呼ばれる赤道を中心として南北にそれぞれ20度くらいまでの地域。特に寒暖差の激しい高地で栽培されている物は品質が高い。 国で言うと、ブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシア、タンザニアなどか知られている。 コーヒー豆にはおよそ40の品種があると言われているが、これらは三つの原種から派生したものである。 アラビカ種 世界で最も多く栽培されている。香りが良く主にレギュラーコーヒー用として加工されている。 ロブスタ種 主にインスタントコーヒーやリキッドコーヒーの原料になっている。 リベリカ種 現在ほとんど栽培されておらず、主に品種改良のための交配用として利用されている。 コーヒー豆がコーヒーになるまで コーヒーは白い花が咲き、その後1〜2㎝程の楕円形の緑色の実をつける。 その後、熟して赤くなった実を収穫し、皮と果肉を取り除いて中の種子を乾燥させた物がコーヒー豆である。種子は1つの実に2粒入っている。 この後、欠点豆と呼ばれる状態の悪い豆を除き、焙煎(ロースト)する。 これは生豆の状態で、13%程含まれている水分を均一に飛ばす作業である。 浅煎り 、 中煎り 、 中深煎り 、 深煎り と段階があるが、豆の種類や産地、目的に合わせてより細かい調整が必要となる。 ここまでの工程でコーヒーの味が八割方決まると言われている。 良いコーヒーの為には、良い生豆、適正な焙煎、そして煎ってからなるべく早く消費することが重要である。この後、豆を挽いてコーヒーを抽出する。 酸化しやすいので、焙煎後は密封容器で保存するようにする。常温で二週間、冷凍して一ヶ月程で使い切ること。 挽き方の種類 豆を挽くことは グラインド と呼ばれる。 どの程度まで挽くかは作りたい飲み物によって決まっている。 細挽き 抽出速度が遅くなって濃く抽出されるので、エスプレッソやアイスコーヒーが適している。 アイスコーヒーは抽出した後、氷を入れて冷やすことによって氷が溶けて味が薄まるため、ペーパードリップで濃いめに出す必要がある。 中挽き 抽出速度は細挽きと粗挽きの間程度。ペーパードリップやコーヒーメーカーに適している。 粗挽き 注いだお湯が早く流れ、抽出速度が速くなる。布フィルターで行う ネルドリップ に適している。コーヒーの風味を損なわないよう、抽出する直前に挽くこともポイントである。 日本では焙煎して挽いた状態のコーヒーのことを レギュラーコーヒー と呼ぶ。 抽出したコーヒーを乾燥させたものをインスタントコーヒーという。


• アラザン

アラザンは製菓材料のひとつで、銀色の粒状をしていて甘みがある糖衣菓子、ドラジェの一種である。 フランス語で銀のことを「argent(アルジャン)」といい、これが名前の由来となっている。「silver dragees(シルバードラジェ)」と呼ばれることもある。 アラザンの原料は砂糖とコーンスターチなどのデンプンである。 これらをを混ぜ合わせて粒状に加工し、食用銀粉や銀箔で覆っている。 一般的には銀色だが、ゴールドを始め、さまざまな色のものや大きさのものがある。 仁丹のような形状だが、味は甘く強く主張はしない。アザランを使うとキラキラとしたデコレーションができるため、ゴージャス感を出したい時のトッピングとして、ケーキアイスクリーム、クッキーなどによく使われる。 水分量の多いグラスやソースがけした製品に乗せると、時間が経過するに連れて銀粉や銀箔がはがれていくため、注意が必要。