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蒸留酒

蒸留酒はスピリッツ(spirit)とも呼ばれ、蒸留して作った酒を指す。世界中に様々な製法で作られたたくさんの種類の蒸留酒がある。蒸留することでアルコール度数の高いものを作ることができるため、アルコール度数が高い酒が多いのも特徴である。蒸留後に加水した場合でも蒸留酒に分類するため、水などを加えることで、アルコール度数を大きく落とすことも可能である。世界各地に、地域に応じた様々な蒸留酒が存在しており、世界四大スピリッツは「ジン」「ウオッカ」「ラム」「テキーラ」といわれている。

製造方法

蒸留酒は水とアルコールの沸点の違いを利用して作られる。アルコールは水よりも沸点が高いため、水より先に気化する。この性質を生かして、気化したアルコールを集めて再び冷やし、液体に戻すことで、アルコール度の高い酒を作ることができる。蒸留には「単式蒸留器」や「連続式蒸留器」などを用いる。
単式蒸留器は蒸留する度に溶液を入れ、蒸留が終了したら溶液を排出するという方式で、アルコール度数は低くなるが発酵によって生まれた風味が残るという利点がある。
連続式蒸留器での蒸留は、何度も蒸留を繰り返し、決まったアルコール度数に近づける。アルコール度数は高くなるが、蒸留を繰り返すことで発酵時にできた成分が除去されてしまい、風味が残りにくくなるという欠点もある。

酒造りにはアルコール発酵が必要だが、実際にはアルコール発酵だけでつくれるのはアルコール度数が16%~20%の醸造酒が限界で、これ以上濃度を上げると発酵に使われる酵母自体が死滅する。そこで、さらにアルコール度数が高い酒を作るため、醸造酒を蒸留させ、エタノールを濃縮した酒が蒸留酒だ。すでに、紀元前4世紀から紀元前3世紀頃にメソポタミア遺跡の中に蒸留器が出土しており、古くから蒸留酒は作られていた。中世には生命の水と呼ばれる酒が出回り、錬金術師によって蒸留酒の技術が確立された。日本では、タイ米を麹にした泡盛がもっとも古い蒸留酒だとされている。

蒸留酒は蒸留したあとに貯蔵し、熟成する。蒸留すぐは飲用に向かないものも多く、時間をかけて熟成することで、香りや味に変化が生まれる。熟成には陶器や金属容器が用いられるのが一般的だが、木製容器などの自然素材の容器を使用することで木の香りや色を酒にうつすということも行われている。

主要な蒸留酒

ウイスキー
カルヴァドス
キルシュワッサー
ラム酒
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