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バニラ

カテゴリ:植物・ハーブ

バニラ
バニラ【英:vanilla(バニラ)、仏:vanille(ヴァニーユ)】

バニラ(学名 Vanilla planifolia)はラン科バニラ属の蔓性植物で、一般には鞘や抽出された香料を指す。もともとは中央アメリカでたばこやカカオ飲料の香りづけに使われていた。原産地はメキシコ、中央アメリカといわれているが、現在はマダガスカルやメキシコ等で作られている。

バニラのつるは近くの樹木などにからみながら成長していくので、60cmぐらいの高さになる場合もある。花は白っぽいラッパ状のものが咲くが、寿命が身近く1日しか開花しない。バニラの果実はインゲン豆のさやのような形状で、15〜30cmの細長い形をしている。バニラの名前の由来はスペイン語「バイナ」から来ていて、「小さなさや」というこの果実の形状から来ているといわれている。さやの中には無数の小さな黒い種子が含まれている。この種子の部分がバニラの香料になる。バニラは独特な甘くて芳香な香りがするが、キュアリング(発酵)・乾燥を繰り返す作業をすることで、香りが生まれる。

バニラビーンズ

バニラ果実からキュアリングを経た種子がバニラビーンズとなり、その成分を取り出して溶剤に溶かしたものがバニラ・エッセンスやバニラ・オイルとなる。
バニラビーンズの値段は年々高騰しており、1本数100円と大変高価なため、市場には人工香料を合成させたものが多く出回る。

ブルボン系

ブルボン系のバニラは世界のバニラビーンズ生産量の80%を占め、原産地メキシコを起源にもつ。
甘味がマイルドで全体的におだやかなふんわりとしたやさしい風味が味わえる。そのため、素材の風味を邪魔せずにバニラの風味をつけたいときに使われる。キャラメルのような香りがあるのが特徴である。

タヒチ系

タヒチ系のバニラは平たく太いさやが特徴で、生産量が少なく希少価値が高い。
豊かな甘い香りがするため、多くのパティシエに支持されている品種である。タヒチ系のバニラはもともとタヒチに持ち込まれたものが変異種したものと考えられている。アニスやムスクにも似た濃厚な個性的な香りを放つ。そのため、アイスクリームなどの冷たいものや個性の強い食材などとの組み合わせでもバニラの味が消失しにくい。バニラの香りをより引き立たせたいときに使うとよい。

バニラの加工品

バニラ・エッセンスはバニラビーンズをエタノールや水に漬けこんで作られたもので、バニラオイルは油脂を溶剤として作られたものである。
バニラ・エッセンスの中でも、人工香料を全く使わない天然由来のものをバニラエクストラクトという。人工香料は進化して、現在の人工バニラ・エッセンスはバニラエクストラクトよりも豊かな香りを持つといわれている。
数滴で十分にバニラの香りを放つため、使いすぎに注意する必要がある。
バニラエッセンスは加熱に弱く、加熱すると香りが発揮しやすい。焼き菓子にはバニラオイルのほうが適している。
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