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チョコレートの特性・構造

カテゴリ:チョコレート

チョコレートの特性・構造
チョコレートは、カカオマスや砂糖、粉乳、油脂であるカカオバターなどを撹拌して製造されるもの。チョコレートの口どけを実現させるために、これらの原材料の粒子を大きさを微粒子化して、均等に分散させて親和性を出す必要がある。そのため、原料チョコレートの製造工程であるカカオマスの微粉砕や精練作業、そしてツヤをだすためのテンパリング(調温)などの、チョコレートならではの工程精度が重要となってくる。

チョコレートと水

器具に水分が残っていたり湯煎の水が入ってしまったりすると、チョコレートはぼろぼろに固まって、どれだけ熱を入れても溶けなくなる。これは、水がチョコレート中のカカオバターの油脂と反発するため。カカオバターと反発した水は吸水性の高い砂糖に吸収されて強く結び付けられ、粘度が生まれてかたまりになってしまう。→分離

適正管理温度

チョコレートを扱う作業をする際は、室温が約18〜23℃、湿度は約45〜55%が適正な環境である。湿度が高くなるとチョコレートは固まるのに時間がかかり、テンパリングを行ってもツヤよく仕上がらなくなる。
保管場所の適正は、温度約15〜18℃、湿度約45〜55%。冷蔵庫で保管すると湿気を吸ったり、ブルームが出たりして品質が低下してしまうことがある。

チョコレートの溶かし方

チョコレートは高温で加熱すると分離してしまうため、直火ではなく湯煎で加熱する。構造的に粘度が高いチョコレートは、鍋に入れてそのまま溶かしてしまうと局所的に温度が上がり、すぐに焦げてしまう。
高い熱を入れると結晶構造が崩壊し、油脂であるカカオバターと水溶成分が分離を起こす。また、高い温度の湯煎で一気にチョコレートを溶かした場合も同じ現象が起きやすくなるため、ゆっくりと加熱した方が、良い状態を保つことができる。

一般的にミルク・ホワイトチョコレートはスイートチョコレートよりも低い温度で溶かす。
溶解温度は、各チョコレートの油脂分の量や種類によって異なる。ミルク・ホワイトチョコレートを高い温度で溶かした場合、乳成分が高まりもろもろとした状態になってしまうことがある。
製品やメーカーごとによっても違ってくるため、製品パッケージに溶解温度や冷却温度の記載があるものは、記載に沿って調温を行う。

チョコレートの種類

チョコレートの結晶化とテンパリング

湯煎などで一度溶かしたチョコレートは、そのまま固めようとしても、元のような光沢にはならない。これはもともとあったチョコレートの原料微粒子の結晶構造が、温度をあげて溶かしたことによって崩れてしまったため。再びツヤを出すためには、テンパリングを行って結晶構造を整える必要がある。テンパリングを行わないと、うまく固まらなかったり、光沢が出ずに表面に成分が浮き出て食感が悪くなる。

ブルーム

チョコレートを適切な温度で扱わなかった場合、表面が白っぽい粉やまだら模様が浮き出てくることがある。この現象をブルームと呼ぶ。ブルームにはファットブルームとシュガーブルームの二種類がある。

チョコレートの乳化

溶かしたチョコレートに生クリームを加えて混ぜると、乳化が起こり、分離せずに混ざる。これはチョコレートに含まれている乳化剤(レシチンなど)が生クリームに含まれる乳脂肪球を覆い、チョコレートの油分と直接触れずに成分が均一に分散したまま混ざるため。


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